第12話 リターンマッチ

 その日の夜、俺たちは準備を整え、夜の12時を過ぎた時、俺たちは厚の家に忍び寄っていた。

 厚の家の周りはすでに寝静まり、明かりがついている家は厚の家だけになっていた。そして、外では淳一たちが見た筋肉質の男と元気そうな女が退屈そうに立っていた。 

俺は彩夏に声をかけた。

「よし、彩夏、頼むぞ」

「ええ、任せといて」

 まず、彩夏が清楚な美少女を装って二人に近づいた。

「あのすみません」

 彩夏は筋肉質の男に声をかけた。

「はい?何でしょう」

 男は彩夏を見たそして「おお、かわいい」と口に出していた。

 彩夏はそれに気づいていたが、気づかないふりをしてこう続けた。

「はい、私、伯父の家に遊びに行くところなんですけど、何年も行ってなくて道に迷っちゃったんです。それで教えていただけたらと思って」

 彩夏は困り果てた表情で言った。

 その時の彩夏を見てグッと来たのか男は元気そうな女を呼んで聞いた。

「何よ。」

「ああ、この子が伯父さんの家まで行くらしいだけど、どこか分からなくて迷っちまったらしい。お前、知らないか」

「そうね。ねえ、あなた、伯父さんの名前はなんていうのよ。教えてくれない?私たち、この辺には詳しいのよ。」

「はい、伯父の名前は星野健也です。私は星野愛美といいます。」

 彩夏は偽名を名乗ると写真を見せた。そこには50代くらいの精悍そうな男が映っていたが、もちろん、俺たちとは関係ない。この近くに住んでいる男をただ撮影しただけだ。

「この人ね。うーん、誰かしら」

 女が写真を見て考え、男も写真をのぞき込んでいた時、俺と浩香はサイレンサー付きのワルサーPPKとシグザウエルP232を構え、二人に発砲した。

 2人は頭に被弾し、一瞬で即死した。2人が死んだのを見ると、彩夏は手で合図を送った。

「よし、行くぞ」

 俺たちは音もなく近づき、すぐに男と女の死体を家の中の木の陰に隠すと二人の服をさぐった。

 2人の名前は男の方が高原大地、女の方が斉藤歩美だと分かり、2人は拳銃も持っていた。

ちなみに2人の拳銃は高原が中国製トカレフ、ノリンコT54、歩美が韓国製デーウーDP52だった。

「こいつらも拳銃を持っていたのね。ということはあと2人と厚たちも銃を持ってるんじゃないかしら?」

 浩香がノリンコT54とデーウーDP52を点検しながら言った。

「そうだな。間違いない。奴らの銃にはサイレンサーはついてないみたいだから、奴らが撃ち返してくるとマズい。素早く片付けるぞ」

「おう、そうだな。」

「ええ、そうね。」

「うん、もちろん」

「ああ」

 俺たちはそれから裏口に周り、音もなく侵入した。裏口には鍵がかけられていないことは偵察で高原や歩美が夜に自由にドアを開けて出入りしていたのを見てすでに確認済みだ。

 俺と浩香はサイレンサー付きの拳銃を手に裏口があるキッチンから進むとキッチンの隣の部屋で愉快そうな声がしていた。

その部屋ではあと2人のボディガード、牛のような小太りの30歳くらいの男と剣道をやっていそうな20代前半の短髪の女が酒を飲みながら雑談をしていて、近くのベッドでは眼鏡をかけた見た目のよくない19歳くらいのメイドが眠りこけていた。

 俺たちはすぐに発砲し、2人のボディガードを始末した。俺はさらに阿賀町の道の駅で買ったラープナイフを取り出すとメイドの首を刺して始末した。

「簡単だったわね。」

「ああ」

 俺たちはボディガードとメイドの死体を探って財布や携帯を回収した。牛のような男は免許証から中岡義夫、短髪の女は富田雅江、メイドは花井結花だと分かり、3人も拳銃を持っていた。

 俺たちは3人の拳銃を分解して使用不能にし、淳一たちを呼ぶと口元のない仮面を取り出してかぶり、顔がわからないようにした。

 これは厚が桜から俺たちの情報を聞いていた場合に備えてと、浩香と厚は面識があるので厚を始末する瞬間まで厚に浩香だと分からないようにするためだ。

 そこからさらに進むとリビングがあり、若い男と中年の女が猥談をしているのが聞こえ、中では厚と母親がやはり酒を飲みながら品のない笑いを浮かべていた。二人の会話は品のない内容で俺は思い出したくもない。

「行くぞ」

「行くわよ。」

「おお」

「ええ」

「うん」

「ああ」

 俺たちはリビングに拳銃を構えて飛び込んだ。リビングに飛び込んできた俺たちを見て2人はその場に凍り付いた。

 俺は母親の右ひじ、浩香は厚の左ひじを撃ちぬいた。

 2人は絶叫して倒れ、床に転がった。

「うわああ、助けてくれ」

「いやああ、痛い」

 2人はのたうちまわる。

 哲磨と彩夏はそんな2人に近づくと哲磨は厚、彩夏は母親に蹴りを入れて失神させた。厚に蹴りを入れた時の哲磨には殺気が漂っていて本当は厚を殺してやりたいのがすぐに分かった。

 しかし、厚には聞きたいことがある。俺は哲磨にあらかじめ言っていたので死なない程度に手加減したんだろう

 俺と浩香は厚と母親の服を探った。厚はイギリス製、ウェブリー&スコットマークⅠ、母親は韓国製デーウーDP52を持っていた。俺はそれを分解して撃鉄を折って処分した。

 そのあと、俺は厚と母親に蹴りを入れて意識を取り戻させた。

 意識を取り戻すと、2人は恐怖でガタガタ震えながら何とか話し出した。

「ひいい、あ、あんたたち誰だ。」

「俺?俺は中村輝也だ。お前のクラスメートだった小竹由紀子たちを殺したのは俺だ。俺はお前を始末しにきた。すぐに由紀子たちのあとを追わせてやる。」

 俺はラープナイフを抜きながら由紀子たちを襲った時に使った偽名で言った。

「な、中村、あ、あんたが由紀子たちを、や、やめてくれ、俺があんたに何をしたんだ。」

「そ、そうよ。やめて、そうだわ、高原、歩美、中岡、雅江、それに結花、早く来て」

 母親は高原たちを呼んだ。しかし、全員死んでいるので当然、応答はない

「う、ウソ」

「フフ、読んでも誰も来ないわよ。全員、私たちが始末したわ、あいつら弱すぎよ。あれでボディガードなの、まあ、悲しむことはないわ、あんたたちもすぐにあとを追うんだから」

 浩香は笑いながらワルサーPPKの引き金を引こうとした。

「ま、待って何でもするから」

 母親は哀願する。

「そうか、じゃあ、いくつか質問に答えてもらうぞお前たちは拳銃を持っていたが、それはどうやって手に入れたものなんだ。」

「わ、私たちの拳銃は中国の人と韓国の人にもらったのよ。私は会社を経営してるんだけど、仕事の関係で中国人や韓国人と付き合うことが多くて射撃場を経営しているって人からもらったのよ。」

 母親は必死に答えた。

「なるほど、よし、それと聞くが、お前は尾崎桜を知ってるよな。奴がどこにいるのか教えろ」

 俺はドスの利いた鋭い口調で聞いた。

「お、尾崎桜、し、知らねえよ。」

 厚は必死の表情で言ったが、桜との関係はすでにバレている。俺はこう続けた。

「ウソをつくな」

 俺は母親の左足に弾丸を撃ち込んだ。母親は絶叫する。

「いやああ」

「ひいい」

「次はお前の足だ。」

 俺はシグザウエルP232を厚に向けたまま言った。

「わ、分かった。話す。話すよ。桜のことは知ってる。俺が小学生のとき、マリンピアに行った時、偶然会ってそれから時々会うようになった。確か、中学までは白根に住んでたはずだ。だけど、中学を卒業する前に引っ越したらしくてどこに行ったかは分からない。本当だ。」

「分からない?本当?ウソをついてるんじゃないの、桜の命と自分の命はどっちが大事なのよ」

 浩香は鋭い口調で言うと同じく阿賀町の道の駅で買ったサバイバルナイフを抜いて厚の顔に近づけた。

「うああ、やめてくれ、桜のことで知ってることを言うから、俺はしばらく桜と会ってなかったけど、久々に桜から電話が来て、福島潟で会ってた。桜からは色々と聞いた。桜が引っ越したのは両親が死んで伯父さんの家に引き取られたかららしい。両親が死んだ理由は親父とお袋が桜が学校に行ってた時に飲酒運転で事故を起こしたからだとか、あと、伯父さんも去年、病気で死んで今、桜は1人暮らしをしてるらしい。だけど、桜は生活には困ってない。両親と伯父さんが万一に備えて保険金の受取人を桜にしてたとかで確か合わせて三億くらい保険金が入ったらしい。桜は環境保護団体を立ち上げたけど、その金は保険金から出たんだ。だけど、どこにいるかまでは教えてくれなかった。本当だ。どこにいるかは知らない」

 厚は必死の表情で話し終えた。その時の厚の表情には不自然な点がなく、本当のことを言っているように見えた。

「そうか、本当に知らないのか?分かったよ。あと、桜が金持ちなのは保険金が入ったからか、なるほど、それと聞くが、お前らもかなり金持ちらしいな。何でそんなに金があるんだ。」

「そ、それは私の旦那が厚が小学5年の時に事故で死んで旦那の保険金が入ったからよ。1億くらい入ったわ、それでそのお金で会社を立ち上げたのよ。それでその商売が成功してお金があるのよ。」

 母親は傷の激痛にうめきながら答えた。

「そう、保険金ね。ねえ、あんたの旦那さんは事故で死んだって言ったけど、本当なの?」

 浩香が鋭い口調で聞いた。

「そ、そうよ。」

 母親はもちろん、そう答えたが、表情や口調が不自然だった。

「ウソをつくな」

 浩香はナイフを抜くと母親に振り上げようとした。

 母親は絶叫する。

「いやああ、そ、そうよ。ち、違うわ、私が保険金欲しさに事故に見せかけて階段から落として殺したのよ。旦那はうだつの上がらない平社員だったから、いつまでたっても贅沢ができなくてそれが嫌で保険金をかけて殺したのよ。」

 母親はわめいた。

「なるほどな。事故に見せかけて殺したのか、ろくでもないぜ、お前がやってる商売もまともな商売じゃないな」

 夫を事故死に見せかけて殺したと聞いて俺はすぐにそう直感して聞いた。

「え、ええ、私の会社は表向きはレストランを経営してるけど、それは表向きなの、レストランに来た人に女の子を紹介してあっせんするのが本業よ。日本人だけじゃなくて中国人や韓国人の女の子もたくさん応募して来るし、海外のお金持ちの男性も顧客としてよく来るわ、その人たちがたくさん、お金を落としていくから私にはお金があるのよ。」

 母親は脂汗を流しながら言った。

「なるほど、売春の斡旋か、よくわかったよ。じゃあ、最後に聞くが、お前は保育園から中学まである少女にひどいことをしていたよな?」

 俺は厚を睨みつけながら言った。

「な、何のことだよ。」

 厚は震えながら言った。

「忘れたのか、片田浩香って子だ。お前は彼女に低レベルな嫌がらせを繰り返していた。何でそんなことを飽きずに続けていたんだ。答えろ」

 哲磨が殺意と怒りのこもった口調で聞いた。

 厚は哲磨の殺気に気付いたのかすぐに話し出した。

「ひい、わ、分かった話すよ。確かに俺は浩香をからかったりしてた。だけど、軽いジョーク、お遊びのつもりだったんだ。あのとき、俺はまだ子供だったし、浩香に嫌がらせして浩香が嫌がったり、泣き出したりするのを見るとおかしくてよ。楽しくてしょうがないから中学まで続けてたんだ。だけど、仕方ないだろ、俺が浩香をいじめてるとみんな俺と一緒に浩香をいじめだしてみんな楽しそうだったし、先生たちも俺たちに何も言わなくていつも笑ってた。それに浩香は暗くて地味な女だったし、いてもいなくても誰も気にしないような女だったんだ。それじゃあ、いじめてやれって誰でも思っちまうだろ?」

 厚は「仕方ないだろ」とでも言いたげな表情で答えた。

「何よそれ」

 浩香は厚が自分をいじめ続けていた理由のひどさに怒りで言葉が出なかった。厚やクラスメートたちはもちろん、冗談か遊びのつもりだったんだろう、しかし、浩香にとっては信じられない苦しみだったんだ。

 俺たちも悪びれずに開き直った顔をしている厚には無性に腹が立った。淳一たち、特に哲磨はすぐに引金を引きたかったが、俺はそれを制してこう続けた。

「なるほどな。彼女を苦しめてた理由はそんなことか、ろくでもないぜ、だが、俺たちは全く、お前に賛同できないね。俺たちも彼女を見たが、お前のようにいじめてやりたいなんてこれっぽっちも思わなかった。お前は異常だ。お前みたいな人間は世の中に災いをもたらす。すぐに始末してやる。」

 俺はシグザウエルP232の引金を引こうとした。

「うわあ、やめてくれ、俺だけを責めるのは筋違いだ。俺だって周りが一言、やめるとか言えばヤバいと思って浩香に手は出さなかったんだ。それに俺以外のクラスメートたちも浩香に嫌がらせをして楽しんでた。奴らも同罪だ。特に勝吾、あいつだ。あいつも負けず劣らずひでえぞ、それに早出先生と井出先生は?あの2人だって共犯だろ?俺だけを責めるなよ。」

 厚は言い訳がましく答えた。

「どういうことよ?」

 浩香は不思議に思って聞いた。

「そ、それは俺はあんたたちが言ったように浩香に嫌がらせをしてて、俺は浩香を痛い目に合わせて泣かせてやりたくて勝吾や先生たちと浩香にケガをさせてやったことがあったんだ。小5のとき、勝吾に頼んで浩香を通学中に転ばせてひじに大けがをさせてようやくかさぶたが張ったときに早出先生に頼んで水泳の授業中に浩香に泳ぎを教えるふりをしてかさぶたをはがさせたことがあった。それに卒業式の練習中に井出先生に頼んでみんながパニくるような指示を出してもらってどさくさに紛れて浩香の足を引っかけて転ばしてやったこともあったんだ。浩香はひじのかさぶたをはがされた時と練習中に転んで手首をねん挫した時はすげえ痛がって泣き叫んでた。その時は勝吾も先生も俺と同じでニタニタ笑ってたんだ。だから、俺だけが悪いんじゃねえ、勝吾と先生たちも共犯だ。」

 厚はわめいた。

「そう、そんなこともやってたのね。勝吾とかいう男と2人の教師も」

 浩香は冷静な口調で答えたが、本当は怒りで煮えくり返っていた。厚が言っていた勝吾、本名は張本勝吾は中学までは浩香の家の近くに住んでいて最初は浩香に好意的だったんだが、小学校になると厚と同様、浩香のことをバカにして嫌がらせや脅しをかけてくるようになり、浩香は最初は「ちょっと、何でそんなことをするの」と思っていたがすぐに勝吾にも憎しみを抱くようになり、中学の時には「チクショウ、絶対後で復讐してやるんだから」と思うほどだった。それから、早出幸子と井出千恵という教師だが、2人は浩香が小学5、6年の時に出会った教師で幸子は当時40代後半で息子と2人暮らしで一見すると明るく人のいいおばさんといった感じだったが、おせっかいで余計なことをしてくることが多く、浩香はいつもうっとおしく思っていた。そして水泳の授業で浩香が泳ぎの練習をしているときに突然、浩香に泳ぎを教えるとかで身体に触ってきてその時、かさぶたをはがされて傷の痛みでひどい目にあったので浩香は幸子に怒りを抱いてた。そして、千恵は当時30歳くらいで眼鏡をかけた真面目な委員長タイプの女子がそのまま成長したような感じだったが、時々、ヒステリックに叫びだすことがあり、そのときは授業が停止してしまうこともあり、浩香は「勘弁してよ」と思って千恵にはついていけないと思っていた。そして、卒業式の練習のときに突然、後ろに下がってすぐと乱暴な言葉で言ってきて突然の指示でクラス全体があわただしくなり、その時、転倒して右手首をねん挫してひどい目にあい、その時の千恵のでたらめな誘導に憤っていた。だから、勝吾と幸子と千恵が厚とグルで自分にケガをさせるためにそんなことをしていたのだと知って3人に対する怒りと憎しみがますます増大し、3人ともなぶり殺しにしてやりたいと思っていたんだ。

 ちなみに俺も勝吾たちのことは浩香から聞いていたから3人には嫌悪感を抱いていたが、3人が厚とグルで浩香をひどい目に合わせていたと聞いてますます3人には反吐が出る思いだった。俺はあとで3人ともなぶり殺しにしてやることにし、最後にこう聞いた。

「なるほどね。確かに勝吾とかいう男と早出と井出とかいう教師もろくでもないな。お前はどうやってその3人を協力させたんだ。」

「俺はその時、勝吾にディズニーランドの年間パスポート、早出先生にユニバーサルスタジオジャパンの年間パスポート、井出先生にエルメスのバックをプレゼントして協力してもらった。勝吾と早出先生の息子はディズニーとUSJに行きたがってたからすげえ喜んでた。早出先生は息子を溺愛してるんだ。それに井出先生もバックをもらって喜んでた。高校生のころから買いたかったらしい。だから、俺に協力してくれたんだ。浩香が痛い思いをすればみんな幸せだって言って」

「なるほどね。ディズニーランドとユニバーサルスタジオジャパンとバックで買収したのか、ろくでもないぜ、だが、俺はそんなもので買収されることはない、お前らに聞くことはもうない。あばよ。」

 俺は引金を引こうとした。

「いやああ、やめて、いいこと教えるから」

 母親は絶叫した。

「いいこと?何よ」

 彩夏が興味深そうに聞いた。

「お、お金をあげるわ、だから、助けて、実は私、聖篭町に小さな別荘を持ってるんだけど、そこの金庫にお金を隠してあるのよ。2億円はあるわ、それをあげるから許して」

「なるほど、その金は売春のあっせんで蓄えた金だな。」

「そ、そうよ。銀行は信用できないわ、税務署とかに話しちゃうかもしれないし、だから、金庫に隠しておいたのよ。」

「そうか、金庫の番号を知ってるのは」

「私と厚よ」

「そ、そうだ。」

「なるほどな。じゃあ、そこまで案内してもらうぞ、だが、お前はいい、さっさと死ね。」

「ええ、そうよ。」

 俺と浩香はそういうと、母親に発砲した。母親は心臓と首に被弾し、絶叫とともに息絶えた。

「ひいい」

 厚は発狂しそうになった。

「さあ、案内してもらうわよ。下手な真似をしてみなさい。あんたもこいつと同じであの世行きよ。」

 浩香はワルサーPPKを向けながら威嚇した。

「わ、分かった。撃たないでくれ」

 厚は玄関まで歩いて行った。淳一たちは周りを見渡して俺たちにつながる証拠がないか確かめた。

 俺たちは玄関に着き、厚を先頭に立てて外に誰もいないことを確かめながら外に出た。

 そのときだった。

 突然、フルオートの銃声が聞こえてきたんだ。

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