第27話 シッダールタカムバーック!!
月末に加速する鬱病と、ハヌマーンを聞きながら読むアフロ田中により、俺は自己を取り戻した。何てぬるい生活をしていたのだろう。この馬鹿ちんが!
最近の俺は、外で生きようとしていた。24年間で俺が伸ばしてきたのは内であるのに、外を始めようとしていた。楽しい予感がしたのだ。今まで俺の羨望と嫌悪の対象だった“外”が。でも、外は俺にはぬるすぎる。外では、俺は何者にもなれない。モブとして生涯を終えるだけだ。
俺は、俺基準では、今、外でそれなりに上手くやっている。それなりに話し、それなりに黙り、それなりに働いている。そこに居て、そこに居ない、無の男。そして、無の男になるために、内なる俺はしばしば殺されている。内なる俺は外で生きるためには邪魔なのだと、合コンから学んだためだ。
例えば、会話をしていて、内なる俺が、おそらく俺しか理解できないだろうジョークを提案してくる。高みプロジェクトを始めたばかりの俺ならば、躊躇することなく、このジョークを口にし、自分一人で享楽を貪っていただろう。あの、無敵の時期ならば。
俺は弱くなっている。俺の強さを支える“孤独”が外だとどうしても薄まるからだ。
孤独は他の何とも組むことは出来ない。混ぜると、確実に薄まる。故に孤独なのだ。
俺の職場に、孤独と連帯を何とか両立しようとしている人がいる。でもそんなの、要領の良さなんかではなく、俺には弱さにしか見思えない。成立するとしたら、それは自分の実力ではなく、周りの人達の優しさでしかないのだ。
同様に、俺は孤独を捨て、連帯を選んだ気でいたが、俺の、内、孤独、特に自尊心は明らかにチラついており、図らずも周りに優しさを要求してしまっている。そしてその傾向が、どんどん強くなってきている。という自覚がある。
もう、やめないか?
俺はもう、一貫しても良い時期に差し掛かってきたんじゃないか?
内なる衝動に、完全に身を任せても、やっていけるんじゃないか?
いや、やっていけないだろう。分かってるんだ。そんなの、俺の内でしか通用しないことを。
でも今の生活はもう限界だ。今の、ぬるい、居ても居なくても変わらない様なしょーもない生き方は。
仕事さえ出来れば良い。どれだけ性格が終わっていようと、どれだけしょーもない人間に思われようと、仕事さえ出来れば、俺の内に身を任せ生きられる。
また、俺の空っぽの人生にも中身が生まれる。仕事さえ出来れば。
仕事で頂点に立ち、実力でねじ伏せるのだ。
皆の者、待たせたな! 農業王の帰還だ!
俺はこれから修羅の道を行く。となれば、さみしいから、更新が増える。よろしくお願いします。
高みプロジェクト シッダールタ @owahara
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