第3話 彼女の役割

まさかこんなにするとは思わなかった…

 「いつもこんなにやってるのか?」

 「うんそうだけど…あとこれから買い物がある」

 嘘だろ…

 「わ、わかった。行こうぜ買い物に」

 「うん、行こうか」

 エラの家を出て街に向かう

 「何を買うんだ?」

 「ええと、確かパンとか…あとは衣服類かな」

 「なら、まずは衣服類を買おうか」

 街の通りを歩いているとエラの服装は周りの人より使い古ししているのか少し浮いている気がする

 「その服以外にも何か服ってあるのか?」

 「あるよ、三着だけどね」

 「どういうの?」

 「これと同じやつかな」

 エラは今着ている青いボロ服を指差す

 ん゛ん゛!?

 「他には?」

 「あとは姉さん達の服しか無い」

 「エラは他に欲しい服無いの?」

 「特に無い、買っても着るところ無いし。着ても直ぐに汚しちゃうから」

 そのままエラは店に入ってった

 あれ?俺置いてかれた…

 店のショーケースが目に入った

 「なんだか報われないな…ん?あれは」

 暫くするとエラが店から出てくる

 「次はパンを買いに行くよ」

 「ちょっとまってて!」

 急いで店の中に入る

 よし、

 「これ帰ったら着てみてくれ!似合うかわからないけど」

 「え?いや貰えないよ」

 「俺はそれ着ないし、貰ってくれよ」

 ちょっと強引だったかな?

 「…わかった、ありがとう」

 それからパンを買いに行った

 帰り道にエラが時計を見る

 「そろそろ姉さん達が帰ってくる時間だからここまでだね」

 「わかった、また明日な」

 「明日?」

 「うん、また明日だ!」

 「何故?」

 「…エラはもっと自分の為に生きても良いとも思うよ?だからまずは好きな物とか行きたい場所に行こう、でも今日は時間がないからまた明日」

 エラは少し戸惑った素振りしながら

 「いいのかな、私なんかが自分の為に生きても」

 「当たり前だろ?、自分の為に生きてない人なんていないよ、そりゃ自己中心的に生きすぎて周りが見えなくなるのはダメだけど」

 エラの頭に手を軽く置く

 「他人に迷惑かけなかったら別に自分の為に生きてもいいんだ、じゃなきゃ悲しすぎる」

 さて、帰ろうかな

 「んじゃ、また明日昼頃に家に行くよ」

 「……うん、わかった」

 彼女はそのまま家へと体を向ける

 「博人!」

 「ん?」

 「…ありがとう!」

 っ!?

 エラはそう言うと振り返り家に帰り始めた

 心なしか彼女の顔が少し笑っているように見えた


 

 

 

 ―俺この後どうしよう(;´゚д゚)ゞ

 そうだよ俺この後どうするんだよ!何処に帰るの!?

 「どうしよう」

 「どうしようって?博人?」

 見覚えのある声が聞こえた気がする、あれ?おかしいなぁ声じゃなくてあの不思議な位に整った顔といい即視感がある気がしなくもないな

 「ああユノ、いやこれからどうしようかと…ん゛!?どうしてここにユノが!?」

 「いやいや本来私の依頼だし、そもそも私もこっちに来れないなんて言ってないでしょ?」

 「いや、そりゃそうだけどさ」

 「帰るわよ、博人」

 「そうだな、帰るか」

 「目を瞑ってて、向こうに飛ぶから」

 「わかった…そうだ」

 「どうしたの?」

 「またここに帰ってこれるんだよな?」

 「ええ、だから安心していいわよ」

 「ありがとう、安心したよ」

 ―――――――――――――――

 目を開けるとここ一ヶ月見慣れた

 光景が広がる

 「お帰りなさい、博人!」

 なんだろう、凄く幸せな気持ちになる

 「ただいま、ユノ!」

 暫く言って無かった気がした

 「どうだった?ここに来て初めての仕事は」

 「いやまだ途中だけど、上手く行くといいな」

 「そんなに構えなくても良いわよ」

 「え?」

 「大きなミスしなきゃ大丈夫よ、簡単に言えば結果が合ってればいいわ」

 「そんなもんなのか?」

 「そんなもんよ」

 はぁ…緊張して焦ってた分安心した

 「これからご飯を作ります!」

 「待ってました!今日は何かしら!?」

 凄く食い気味にユノが聞いてくるから少し引いてしまう

 「そうだなぁオムライスはどうでしょうか?」

 「よくわからないけどそれが良いわ!美味しそう!」

 ―――――――――――――――

 まず、お米を一合、ウインナー、玉ねぎ1/4、塩、ブラックペッパー、適量、卵2つ、マヨネーズ、牛乳適量、バター適量

 お米は少し硬めに炊き、玉ねぎはみじん切り、ウインナーは食べやすいサイズにカットする

 フライパンに油を引き玉ねぎを透明になるまで炒めてそのあとにウインナーをフライパンに入れて火を通す

 塩で味を整え、炊いたお米を入れて全体的に具が行き渡るように混ぜてケチャップを入れて全体的にチキンライスの色になるまで混ぜながら炒たあとブラックペッパーを加える

 お椀型の容器に入れて形を整えて皿にひっくり返して型どりをする

 卵2つをボールに入れてマヨネーズ、牛乳を入れてよく混ぜる小さいフライパンを火にかけてよく熱する

 そこにバターを入れてバターが溶けきる前に卵を入れてふちから中心に向かってグルグルかき混ぜる

 10秒程かき混ぜてまた10秒混ぜずに加熱してふちから剥がしたあとフライ返しでチキンライスの上に乗っけて完成!!

 ―――――――――――――――

 「お待たせ!オムライスでございます!!」

 「やったー!!これがオムライス!」

 「頂きます!!――美味しい!卵がふわふわしてる!?」

 お気に召して何よりです

 

 

 

 


 

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