149話 モノリスと実績解除
残存した荷物を拾い集め、俺達は水源へ向かうことにした。
といっても、黒い機械達の攻撃で荷物はほとんど炎上してしまって、最早手ぶら状態だ。
採取してあった木ノ実等も同様に失くなっており、またもや食糧難の危機である。
モノリスの問題もあるが、道中で何か食えるものが見つかるといいが……。
ラズは相変わらず体の怠さが抜けきっていないようで、会話がしやすいからと言ってパグの頭に乗って移動している。
N2とピノもパグの背中に横たわっているが、相変わらず意識は戻っていない。
しばらく休めば回復するというラズに対し、二人は前回のような修理が必要なのだろうか……。
仮にそうだとしても、星の生物が減少傾向にある今の状況での素材集め、及び修理は絶望的だ……。
ところで、何故N2とピノがパグに乗っているのかというと、二人がラズの友人だと知るとパグが自分で運びたいと言って譲らなかったからだ。
余った布で二人をしっかりと縛り付けてあるので、走ったりしても多少は大丈夫そうなので、そのままパグに二人を任せることにした。
そんなこんなで、パグの誘導に従って水源への道程を歩いているのだが……。
右斜め前へ500m程度進んだかと思えば、今度は左斜め後方に200m戻り、酷いときは右往左往したりと、距離的にはあまり進んでいないように見える。
……いや、直進するよりかなり遠回りをしている。
何故そのような進み方をしているのかを説明するには、出発直後まで時を少し遡る必要がある。
「実績解除……?」
「あぁ。この半動物達……モノリスにはレベルがあるってのはお前も知ってるよな? より安全に水源へ向かうには、こいつのレベルを上げていく必要があるらしいぜ」
パグの頭上でうつ伏せになりながら、首だけこちらに向けラズはそう答える。
なんでも、モノリスの個体それぞれに設定された独自ミッションみたいなのを実施していくことで経験値として積み上げられ、それがレベルアップに繋がるといったシステムになっているようだ。
「モノリスのレベルは元々決められてるもんかと思ってたよ。それに、なんか思ったより平和な仕組みなんだな。もっとこう……単純に戦闘で勝ったらレベルアップとかじゃなくてさ」
「こいつは『型』が特殊らしいからな。他のは詳しく知らないらしいが、戦闘に特化したやつらだと、お前の言う単純な方法になるんじゃなねぇか?」
「そうなのかな……。えっと、パグは索敵タイプ……だっけ?」
「そう言ってたな。レベルがあがると、索敵能力も上がるらしいぜ。だから、ちょっと遠回りになるが、レベル上げをしながら進ませて欲しいんだとよ」
以上、回想終わり。
お前も難儀だなぁと、気だるそうにパグの頭に倒れ込むラズが印象的だった。
とまぁそんな具合で、パグの先導に従ってしばらく歩くと、実績:『別個体との遭遇を5
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