ep26.5 Officer six
「どうして監視の任を離れたのだ、エージェント2。言い訳があるなら聞こうじゃないか」
「部屋が突然植物で埋め尽くされ、あのままあそこにいれば、植物の贄になるところだったのです!」
「貴様のような出来損ないは、贄にでも何でもなればいいさ」
「勝手な判断で、監視を解いた罪は重いぞ、エージェント2」
「現にプレイヤーがあの部屋へ辿り着き、2体目も解き放ってしまった」
「そ、そんな……。大変申し訳ございませんでしたッ! どんな罰でもお受けいたしますッ!」
「罰などいつでも与えてやろう。しかし、罰を受ける前に、貴様にはやるべきことがあるのではないのか?」
「っは! 直ちに2体目、及び、1体目の収容と監視を遂行致します!」
「分かればよいのだ。では、いけ」
「っは!」
「でも、ほんとはそうなるように仕向けたんでしょう? エージェント達も大変だねぇ」
「ふふ、まぁな。しかし、エージェント1は実にあっけなかった。自爆を選んだところは評価するが」
「そもそも今回のプレイヤーは一味違う。1体目の覚醒を、ここまで早期で成し遂げた者はいなかっただろう。エージェント1があっさりやられてしまったのも納得がいく」
「……」
「あまり彼らをなめていると、痛い目を見ますよ」
「数百年平和を保ってきたのだ。それが今更覆ることなどあるまいよ」
「だと、いいんだけどねぇ」
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