第92話 またあれの話

 やあ、おいらです。


 下ネタじゃないよ! キライじゃないけどね。自主規制ってやつさ。品格ってものがあるからね。


 今朝はもうねえ、まともに歩けなくなってましたよ。脳にウィルスが入っちゃったんじゃないっすかねえ。ウイル・スミスじゃねえよ! まあ、もういいや。誰か、ホーキンス博士の乗っていた、アレ。寄付して。


 ああ、アレの話がメインじゃない。また出ましたよ。誰も読まない、おいらの覚めたての夢を語るコーナー。

 シーン1。ウチと松本酒店の間に、実は(夢の中ではだよ)蕎麦屋がある。おいらはそこの下働きというか、掃除当番をすることになったんですけど、蕎麦屋と松本酒店にはかなりの軋轢があるみたいで、松本酒店のババアが「そっから先は汚さないでください」とか、お客に注意している。「ということは、ここまで掃き掃除すればいいのか」とおいらも考えている。蕎麦屋に客の来る気配は全くない。店主は気のいいおっさんのようだが……


 シーン2。おいら、早朝野球の帰りで自転車に乗り、川べりを走っている。すると、ちょっとした大騒動が起きていた。日本中から、煙草が姿を消してしまったのだ。しかも、そのことをおいらは事前に知っていて、前日のうちに十分に自分の分は確保しているの(現実のおいらは煙草を吸いませんよ。まあ、どうしても吸えと言われりゃあ、喜んで吸いますがね。実は人生二回目の禁煙中。もう三年になりますか。前回は十年以上禁煙できましたから、別に吸う必要がないんでしょうね)。近所の煙草屋の前には行列というか、群衆が集まっているというか。でも、暴動が起きるというよりも、「いつになったら煙草が手に入るの?」といういたいけな少女の願いみたいに、ヤニ中のおっさんたちが、手を合わせている。店主のおばあちゃんも情報も何もないらしくて、おどおどするばかり。「月曜日にはなんかいって来ると思いますがねえ」と言っている。この日は土曜日なんだね。でも、それはウソだとおいらは知っている。煙草はもう二度と世間には出回らないんだ。なぜか、そのことを政府は発表しない。たぶん、選挙対策だろう。

 たぶん顔見知りの三つ編みのお姉ちゃんがおいらに言う。「なんかわかったら、すぐに教えてね」「ああ、わかった」おいらは平然とウソをつき、自転車を転がす。場面だけ観ていたら、昔の青春映画だよ。どこかの木の下で、原節子の演じる先生が見ているに違いない。三つ編みの少女は清純派なのに喫煙家なんだろうか? わからない。少女とどっかのジイさんが話しているのが聞こえる。「あいつ、ナッツから煙草へ鞍替えしたのか。この前、ジュリーとナッツを喰っとったんじゃが」よくわからん。なぜ、ショーケンじゃないんだろう?

 スマホが鳴り、どのボタンも押してないのに会話ができる。不思議だ。電話の相手はなぜか、バカ書店のクボ課長で「ぺこりくん、早番になってるけどどうしたの?」と聞いて来る。「昨日、ローテーションを見たときは遅番でした」とおいらは文句を言う。「ああ、そう。じゃあ遅番でもいい?」「ええ、そのつもりでしたから」「じゃあ、悪いんだけど、俺、会議があるんだ。少し、早く来てくれる?」「はい。わかりました」

 電話が切れるとおいらは叫んだ。「誰が行くかよ!」


 それで、目が覚めた。


 では。

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