第83話 ぎったんばっこん

 やあ、おいらです。


 今日も心身ともに冴えません。おいらの駄文はさあ、たぶん躁状態の時の方が読者にウケると思うんですけど、実際のおいらは、ここまでの生涯のほぼ全てを鬱状態で生きているわけで、あんまり期待されても困るんだよなということ。


 普通の人なら、ただの喉風邪だったものが、もう一週間も体に居座り続けている。昨日内科で相談しようと思っていたのに、診察室には整形外科のクソ院長のデブがいる。ああこっちにもデブがいる。おいらか。診療時間変えるなら二ヶ月くらい前から貼り出しとけよ。どうせ四月一日に貼り出したんだろうけど、おいらは月一しか行かないんだ。全然閲覧不可能じゃないか! しかも受付の感じの悪いサザエさん(よく、あの容姿で生きていけるよ)が、さも当然のように「新しい診察時間を診察券に入れておきましたから」という。「突然ですみませんが」とか言えねえのかよ? あの、素晴らしい看護師さんのお姿も昨日は見えないしさあ。おいらから不運をとったら、世界平和は必ず成る。


 元妻が「伊坂幸太郎の文庫出ていたよ」と知らせてきた。ああ、もうそんな日付かあ忘れていたよ……元妻さん、そんな連絡をするヒマがあるなら、だまって買って来い! 伊坂、恩田あたりわな。あと、ハルヒね。あと二ヶ月だけど。そうしたら「ハルヒの限定版、本当に買うの? 付録がフィギュアだったらどうするの? 返品できないよ」と元妻からしつこい連絡。「ああ、買ってやるさ。ハルヒのフィギュアを不動明王の横に置いてやる」って強く言ってやったよ。その後、連絡なし。

 そうだ、伊坂のついでに小学館文庫、結城昌治『志ん生一代』を買ってしまう。結構なお値段だ。もう、飯は食えねえ。パンケーキも食えねえ。

 古今亭志ん生と言えば、昭和の落語の名人だ。『いだてん』でたけし師匠がやっている人ですよ。

 実はおいら、落語そのものはあんまり好きじゃない。一時間も二時間もじっと聞いているなんて辛抱がないんでゲス。

 でもねえ、落語家というのは面白い。破天荒な人が多いからだ。談志は論外としてね、おかしな人がいっぱいいる。古今亭志ん生師匠も逸話の塊でしょう。よく知らないけど。

 あと、作者の結城昌治。この人は小説家ですよ。ハードボイルドやら、ミステリーやらいっぱい出しているけど、ほぼ、重版未定か絶版。ちょっと前に光文社とか創元推理文庫でなんか出ていたけど、生きているやら、死んでいるやら。まあ、気分転換にと思ってお気楽に注文したら分厚い! そういや昔、学参の辞書コーナーで「この辞書、太くない?」っていうバカ学生がよくいましたな。太巻きかよ。

 でも、大人でなのに「その、太い本」っていう人もいるよね。きっとさあ、うちに帰って、その本に醤油つけて食べてんだよ。なら、仕方がない。

 では。

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