第73話 『ゼロの誘拐』

 大きな規模の書店チェーンでは、どこもやっているみたいなんですけど、『自社独自復刊』ってやつ。バカ書店は妙に熱心ですねえ。すでに読んだことがある本も多いです。だってミステリーばっかりだもの。そんな中、大門剛明『テミスの求刑』は面白かった。で、次に元妻が持ってきたのが深谷忠記『ゼロの誘拐』。帯の惹句を見ると、「黒電話の時代」とか「昭和の香りがする」などと書いてある。これは売れないでしょう。というのがおいらの感想。でも、元妻は面白いという。ああ、そうですか。じゃあ読みますよ。

 ネタバレしていいですか? 返事がないのでしちゃおう。最初の、赤ちゃんを誘拐するシーンは面白かったかな。

 やがて、警察が介入するところから、一気に「やばい」と思いました。おいらは警察小説が嫌いなんだよね。でもさあ、携帯だのスマホがなくても、あっさり、警察同士や、犯人との交渉ができちゃうのね。若い人で黒電話が使えなくても、この小説は読めます。STAP細胞はありません!


 ただなあ、話がごちゃごちゃしちゃってさあ、正直戸惑うわ。だって、犯人が二組いて、被害者は実は別の事件の加害者で、でも、連続で起きている同様の事件とは関わり合いがないんだって。


 よくわからない。


 やっぱり、この本をセレクトした人アホやわ。新本格以降で、重版未定になっている本がいっぱいあるのにこれを選ぶ、神経が……ああ、いけねえ、母の三回忌にいかなかなくちゃ。続きは後ほど。まだ、具合悪いだよねえ。しんどいわあ。


 ああ、今帰りました。しんどかったわあ。まずさあ、十二時集合なのに十時集合と勘違いしちゃって、気がついたら着替えが終わってました。脳に欠陥があるのかねえ。しかも、デブ用に買ったベルトが、あまりにデブ専用すぎて、おいらの腹にフィットしない。これは縮めるか、ベルトの穴を増やさなくてはいけないんですけど、不器用なおいらにできるはずがない。今日はノーベルトを決断しました。するとシャツの裾がどんどん上がってくる。必死に戻していましたが、途中でバカらしくなってやめました。ああ、おいらは満腹太郎だよ!


 新羽の駅に着いたら、みんな黒い服を着ている。「あれほど、平服かって聞いたのに!」怒りをあらわにすると、実姉が「ジャケット着ているから良し」と判断を下しました。諸般の事情により、実姉のいうことは絶対です。


 つつがなく三回忌は終わったのですが、お年寄りたちの、この一年での老けようは、筆舌に尽くし難い。まあおいらも半世紀近く生きているのだから、その前から生きているお年寄りが辛くなるのもわかるのです。どうぞ、お年寄りを大切にしてください。JAROからのお知らせ、ではありません。

 では。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る