第70話 真っ暗な生活

 やあ、おいらです。


 だいぶ調子が良くなってきました。喉の痛みは消えませんけれどね。おいらの経験上、ここで元の生活に戻すと、ぶり返して、さらに悪化するので、お布団からは出ません。今日は外の天気はよかったようですが、面倒だったので、雨戸を開けませんでした。電気代がちょっともったいないけれど、朝の冷気を体に受けるのが怖かったというのもあります。虚弱体質はねえ、すごく慎重に生きないと、昨日みたいに気絶しちゃうんですよ。お粗相しなくてよかったわ。


 まあ、暗いんでほとんど寝ていました。今日はちゃんとした食事はしなさそうだな。食べてもカップ麺くらいか? 冷凍食品がいまだに食べられないのが痛いですね。ニトリで五千円っていうけどさあ、その五千円をどこから捻出するんだよ! おいらはお大尽とはちがうんだ。そんな金があれば、図書カード買って文庫本につぎ込むよ。だから今月はムリ。来月は樋口有介とハルヒだけだから、大丈夫かも。ああ、そういえばハルヒの限定版の話を元妻はしてこないな。三日で忘れるのか。いぬ以下の脳みそだな


 こんな状態でも、読書はするんですけど、長時間はできませんね。せいぜい二十分くらいかな。今読んでいる本はいつ読み終わるのだろう? 下手すりゃ、ハルヒの四月の新刊が出てしまう。ハルヒとハルヒの間が一冊、ていうのは避けたい。もう一冊は読んでおきたい。『蜂蜜と遠雷』上下巻なんていつ読めるんでしょう? 『泡坂妻夫最終公演』はインテリアか置物か? これ、実は親本も持ってるんだよね。箱入りでさあ、もったいなくて読めないのよ。だから文庫を買ったのに、親子揃ってインテリアは悲しいね。

 なるだけ、買う本は減らしているつもりんなんですよ。笹本稜平さんなんて、全部揃えていないし、連城三紀彦さんが亡くなっていっぱい文庫出たけど、傑作選しか買ってないしね。泣く泣く諦めている作家さんもたくさんいますよ。でもねえ、買っても読めないんだなあ。加齢って怖い。もしくは精神病って怖い。集中力の欠乏を止めるサプリメントとかないのかなあ? それとも、おいらの脳みそ、いかれちまったのかなあ。こんな時に文庫を読めないなんて、こんな時にしおりを挟むなんて。


 情熱を失った時に、人生は終わると言ったのは誰か知りませんが、もしかしておいらのオリジナル? すぐに登録商標しよう。こんな自堕落な生活では、脳が活性化しないんでしょうね。すぐに、おいらボケるからさあ。励ましのお便りを送ろう。宛先は秘密だよ。

 では。

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