第52話 読書百遍意自ずとわかるわけねえ!

 やあ、おいらです。


 昨日の夜、眠らなかったせいで、ナチュラルハイです。ただ、躁状態ではないと思います。(そのためにお医者さん行って抗躁薬もらっているんだから)心配は、たぶんないでしょう。


 質問。この中に、竹本健治の『匣の中の失楽』を読破し、理解できた方はいらっしゃいますか? もしいたら、あなたは天才です。MENSAに入会することをお勧めします。凡人のおいらは、途中から全く意味がわからなくなり「四大奇書」の一つという敬称がなければ『壁ドン本』にしていましたよ。

 だいたい「四大奇書」と言いますけれど本来は「三大奇書」であり夢野久作『ドグラ・マグラ』、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫(塔晶夫)『虚無への供物』のことを指すのです。おいらは未熟者なので、『虚無への供物』しか読んだことがありませんが、とても読みやすくて面白かったです。でも、書店では見かけませんね。十何年前、おいらは新装版の上下巻のものを買ったんですけど。講談社ですからねえ。『ドグラ・マグラ』は角川文庫で上下巻、『黒死館殺人事件』は河出文庫で、たぶんまだ手に入ると思います。最近、大型の書店に行っていないので当てになりませんが。『ドグラ・マグラ』は読むと発狂するという噂があって、別に信じている訳ではないのですが手が伸びない。『黒死館殺人事件』は立ち読みした時、活字が小ちゃいのと難しそうな文章だったので、これも手が出ない。たぶん、一生読まねえな。だから、おいらはミステリーのアマチュアから抜け出せない。これに『匣の中の失楽』が加わったのは、中井英夫先生が激賞されたからで、竹本健治さんのデビュー作なんです。これが伝説の推理雑誌『幻影城』に、一挙に載ったのか、連載だったかは忘れましたが、それによって、ミステリー界の大きな話題になったのです。ということはミステリー作家さんたちは、この難解な本を理解できたってことですよね。すごいよな。竹本さんが今も現役でいらっしゃるということは人気があるっていうことですわよねえ、奥さん! おいらには信じられないわ。邪推ですけど、わかってないのにわかったふりをしているミステリー関係者もいるんじゃないかしら。

「読書百遍意自ずとわかる」とか「門前の小僧習わぬ経を読む」とか、繰り返し見聞きすれば理解できるって言いますけど『匣の中の失楽』をおいらは百遍どころかもう二度と読みたくないよ。重いしさ。もともと、竹本さんとは相性が良くないんですな。あるいは脳の構造が違うと。


 積読本はいっぱいあるけれど、新しい作者を開拓したい気持ちもあります。できれば、ある程度文庫本を出している作者の方がいいな。元妻のバカ書店秋葉原支店に神永学さんと中山七里さんがお見えになったそうです。中山さんって、おいらずっと、若くてハンサムな人を想像していたんですけど、先日、TVで新井賞の特集をやっていた時に、登場されたら、おいらより年上のような白髭の方でびっくりぽん! 神永さんは元妻曰く、とても感じのいい方だったそうです。だがなあ、『心霊探偵』シリーズですよね。ちょっと、おいらのストライクゾーンと違うんだよなあ。読むなら『怪盗山猫』シリーズかな? よし、考慮しよう。

 最近のミステリーの新顔って、ライトノベルからの鞍替え組が多いようですねえ。「背負うた子に教えられ」とは言いますが、おいらが十代、二十代の子が書いたミステリーを読むって、ちょっと気持ち悪くね? ハルヒ読んでる時点で既に気色悪いんですけどね。うーん、そろそろ大型書店を見物に行かないとトレンドの知識獲得や新しい発見がないなあ。まあ、結局のところ問題は交通費ですわ。区役所さまはそこまで優しくない。北海道の奥地に住む、アイヌ民族の親戚がなくなったと言ったら飛行機代くらいくれるかな? まさか、フェリーと在来線を使えなんて言わないよね。ああ、どうせウソだった。それでもいいんだな。

 では。

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