第19話 すあまの恐怖
やあ、おいらです。
以前にも書いたような気がしますが……以前にも書いたような気がしますかって言い方、結局はネタを使い回ししていますよって意味になりますね。まあ、実際に使いまわしてるんだろうと思いますがね。そりゃあ、そうでしょう。一日の大半を狭い部屋の、そのまた三分の一の空間で、ぼんやり生きているんですからね。おいらはさ。そう毎日毎日、けったいなおもしろ事件なんて連発するわけがないですよ。そんなことが起きていたら、もっとできのいい駄文を書いて、皆さまにご提供できるわけでね。なのでこれからも、どんどん、使いまわして行くと思います。どうせ、誰も覚えちゃいまい。覚えている人がいたら、逆に怖いですわ。
というわけで、以前にも書いたような気がしますが、おいらの上の歯は、ほぼ総入れ歯に近い部分入れ歯なのです。最大の原因はもともと歯が弱いのにもかかわらず、おいらが不養生(歯磨き大嫌い!)なためなのですが、それと同時に、行く歯医者、行く歯医者、ほぼ全てがヤブだったということは声を大にして言いたい。日本は現在、歯医者が過剰に乱立しているそうです。そしてヤブは普通なら淘汰されていくものなのに、なぜか生き残っている。そしておいらの嗅覚は見事にヤブを引き当ててしまうようで、おそらく、いい歯医者さんに当たっていたら、上の歯はなくなっていなかったと思います。
その上、今年に入ってなぜか理由はわかりませんが、ボロボロと残っていた歯が抜けていき、ついに一本になってしまいました。それがたまたま、入れ歯を支える歯だったので、なんとかやり過ごしていますが、近々、こいつも脱落するでしょう。おいらの希望は、約一ヶ月後の亡母の三回忌まで残っていて欲しいということであります。
ところで、おいらが『涼宮ハルヒ』シリーズを読んでいることは、お得意さまなら、ご存知ですよね。ならば、販売先の元妻だってわかっているはずであり、なおかつ、書店員ならばハルヒが五ヶ月連続発売だと知っているのは常識であり、今月の新刊が出たならば「ああ、買って届けなきゃ」って思うのが人情ってもんじゃないですかねえ? でも、元妻はそういう気の利いたことをしない。なので、こっちから催促してやったら「あら、出ていたの?」だってさ。ところで、あんたの担当範囲は? って聞いてやったら「雑誌、文庫、文芸、旅行ガイド」だとよ。思いっきり文庫は守備範囲じゃないか! こうクレームをつけると「買っていけばいいんでしょ」と逆ギレ。ところが遅配で有名な元妻便。飲酒運転(例え話ですよ)の挙句、今だにお届けに来ない。なので、「手土産持って詫びに来い」と言ったら、一本のすあまを持ってきておいらに渡すと、謝りもせずに帰って行きました。ところが、このすあまがさあ問題なのよ。ダイエーのすあまは小さいのが四つ入っているんですけど、これは違う。おそらく相鉄ローゼンのだと思うんですけど、かまぼこの子分みたいな大きさで、容器から取ろうとすると、すごい粘着力。この時点で、不安感が胸いっぱい。まあ、とりあえずかじってみたら、その強い粘着力で、この日は出かける用事がないからと、ポリグリップを薄く塗っていた入れ歯を一撃で、外してしまいました。「やばい。これは残り一本の歯を持っていかれる」と思ったおいらは、外れた入れ歯で強引に残りのすあまを咀嚼しました。すあま好きだけどさあ、今度からは安全な饅頭にしようと思いました。餅系は危険だ。
では。
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