第17話 電子レンジこわれちゃった

 やあ、おいらです。


 ♫ぼくの大切な電〜子レンジ 8年使った電〜子レンジ とっても大事にしてたのに〜 叩いてみても動かな〜い ど〜うしよ ど〜うしよ オー パッパラパ〜ラ パッパラパ〜ラ パオパオ パパパ パッパラパ〜ラ パッパラパ〜ラ パオパオ パパパノパッ♫


 あーあ、マジに困ったね。おいら、料理が全くできないからさあ、食事は冷凍食品、カップ麺、ヤマザキのパンかダイエーのお惣菜しかバリエーションがないの。もちろん、外食なんて無理。以前はなんとか入れたマックも最近はダメだ。特に十日市場のマックは駅から歩くから絶対イヤ。

 だから、冷凍食品に頼っててさ、ダイエーやクリエイトで安くなってるのをしこたま買いだめしていたのによう!

 この前も『激落ちくん』で、内部から外面までピカピカにして、愛情を注いでいたのにさあ〜このバカ野郎! 昼飯の時は動いていたのに、晩飯を温めようとしたら、もう全く動かない。タイマーが、ぴくりともしない。救急車を呼ぶ前に霊柩車を呼ぶ手配をした方が良いって感じの、突然死ですよ。ああ、霊柩車っていうのは粗大ゴミのトラックのことね。


 正直にいうと、おいらはカップ麺を作るのが面倒でイヤなんです。なんか、食べるまでの工程がやたらと多いでしょ? 包装ビニール破って、フタ開けて、中の小袋を取り出して、ああ、その前にお湯を沸かしてさ、説明書を読んで、小袋の中身が先入れか後入れか確認ののち、先入れを突っ込み、お湯入れてフタ閉めて、さて何分待つのかフタのどこかに書いてあるやつを探してさ、後入れの小袋、フタの上において、時計で時間を計る。時がきたら後入れの小袋を入れて、やっと完成。ものすごい文字数の工程があるんですよ。


 それが冷凍食品なら、袋の裏を見て時間確認、外袋を破ってレンジに突っ込み、タイマーセット。あとは待つのみ。


 その差は歴然。それに真夏にカップ麺は厳しいですよね。


 ヤマザキのパンは美味しいんだけど、弱点があるのよ。ズバリ、飽きる。週に二、三回が限度ですわ。

 でもね、あんぱんだけだったら意外と飽きない。前に住んでいた東本郷にあった、ミニスーパー『魚七』さんにはあんぱんと愉快な仲間たちが勢揃いしていて、白あんぱん、小倉あん、うぐいすぱん、金時ぱん、ジャムパン、くりーむパン、カレーパン、メロンパン、チョコメロンパンとやなせたかし先生もびっくりの品揃え。さらに値段が安かった。おそらくですねえ、鶴見川の向こう側にヤマザキパンの工場があったから、こいつら、横流し品ですね。鶴見川がイムジン河に見えて来た。


 ああ、ヤマザキのパンにはもう一つ大きな弱点が! 確実に太る。以上。


 ダイエーのお惣菜は毎日、代わりばえがしないんだよね。あそこまで行くのも面倒だし。病院の帰りオンリーですね。値段が高いし、たいして美味くもない。


 近所のおばさんに、そのことを言ったら「ニトリなら電子レンジ、五千円で買えるよ」だって。簡単に言うなあ。前回述べました通り、おいらには金の余裕がないのさ。最低限度の生活ですからね。

 さて、冷凍庫に詰まっている冷凍食品は自然解凍で食べられるのかしら?

 では。 

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