第16話 飢えても読む

 やあ、おいらです。


 緑区役所から封書が来ましてね。一瞬「やっぱり、あのおばあさんのケースワーカーはお終いかあ」と恐怖に怯えて中身を見たら、四月以降、保護費が結構な減額になるというお知らせでした。

 Yahoo!のニュースを観ていると、「これでは生きていけない。生活保護者の叫び」とかいう見出しが躍っています。でも、おいらは思うのです。「保護費をもらえるだけありがたい。家賃は全額出してもらえるし、医療費も無料だ。要はさあ、自分の生活レベルを保護費で足らせるように、身の丈に合わせて生きるしかないのではないの? おいらたちは基本的に働けないのよ。本当はホームレスになるか、首を吊るべきところを国のご好意で生かされてるのよ。まさに健康で文化的な最低限どの生活。そう、最低限度の生活しか保証されていないんだ」


 でもね、自由に使える金は本当に限られますわ。おいら巨大デブでしょ。デブなんだから栄養は蓄積されてるじゃん。食べなくてもいいねと思う皆さまもおられると思いますが、生物は際限なく自分を巨大化させる本能があるようで、太れば太るほど、食欲はそれに比例して増えていくのです。ホント、誰かストップをかけて。けんかをやめて、二人を止めて……


 一方で、おいらの文庫収集癖もストップがかからなくなって来ました。言いましたよね、四月はビッグネームが目白押し。目黒川沿いの桜見物の花見客のように大量に出版されます。ええ、もちろん全部買うさ。たとえ読みきれなくてもな。その上、涼宮ハルヒなんかに手を出したがために、金が出る出る、デルモンテ。いいね! 横山剣です。


 さて、こうなると、食うか読むか(買うか)の一騎打ちですよ。まあ、普通は食うを取りますよね。でもね、コレクター魂は命を削っても、コンプリートを目指します。(ただ、おいらはザッパーだから、抜けてるんだよね。結構さ)ダイエット効果も期待できるぜ。ワイルドだろう?


 いやあ、もうすぐここに引っ越して来て、一年です。以前に離婚して、一人暮らしをしたときは、結果的にキチガイになってしまい、人生を危うく強制終了するところでした。結局、義侠心だか責任を痛感したのかよくわかりませんが、元妻との奇妙なシェアハウス生活が五年続き、鬱転したおいらは三回ほど服薬自殺を試み、全て見事に失敗するというスーパープレーを連発し、十年ぶりの喫煙に手を染めたものの、元妻の厳命で、ベランダでこっそりと吸うという恥辱を味わい、最終的には、「ご近所さんに迷惑ではないのか?」という病的な妄執にとらわれ、二年でまた煙草はやめ、いまは嫌煙家に転身して、歩き煙草をしている輩に「臭えな」と、もちろん相手に聞こえないようにケチをつけております。


 もう今週の金曜日あたりには、横浜は桜が満開だとか。昔のようにワクワクしませんが、とりあえず観たいかな。日本人だから、たぶん。(たぶんって思うのには訳があって、近所のおばさんがおいらの顔を見て「あんた、どっかにロシアの血が混ざってるね」って言うんですよ。自分でいうのもなんですが、おいら結構美男子なの。ただ、デブだけどね。しかし、ハーフってなんで美形が多いんですかね? もちろん、ブサイクもいるけどさ。確率の問題ね)

 では。

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