私は魔法使い

勝利だギューちゃん

第1話

「ほうきに乗って空を飛びたい」

「魔法で、困っている人を助けたい」


女の子なら、一度は夢見た事がある。

かくいう、私もその一人。

でも、魔法使いなんて空想の世界の人物。

実際は存在しない。


小学生も高学年になると、さすがに冷める人が多い。


でも、少なからず夢見る子は多いわけで、私もその1人。

さすがに、高校生なので人前では言えないが・・・

なので、「魔法使いが主人公の絵本作家になりたい」と、言っている。


今更、売れないのはわかっているが・・・


その日も、学校の帰りに、友達同士でファンシーショップに行った。

かわいいぬいぐるみが、たくさんある。

私は、ぬいぐるみが大好き。

話相手になってくれる。


最近は、音声認識のぬいぐるみもあるので、限度はあるが、会話ができる。

時代も、進んでいるな・・・


その中のひとつに、しーちゃんというぬいぐるみがあった。

ネットで見て、「かわいいな」と思っていたが、そのファンシーショップに売っていた、

「ねえ、それ買うの?」

友達が、横から覗いてくる。


「うん。お婆ちゃんにね。認知症の予防に役立っているらしいよ」

それは、本当だった。

でも、おばあちゃんが認知症というのは、嘘。

おじいちゃんと2人で、旅行しまくっている。


友達と別れて、帰路に就く。


「お帰り、さっちゃん」

おじいちゃんと、おばあちゃんに声をかけられる。


「おじいちゃん、おばあちゃん、今度はどこ行くの?」

「三陸の方へ行ってくるよ」

「三陸?」

「ありすちゃんに会ってくる」

そう言う事か・・・

私は納得した。


祖父母を見送ると、私は部屋に入る。


さっき買ってきた、しーちゃんのぬいぐるみを取りだす。


「さてと・・・取り扱い説明書は・・・」

『そんな事しなくても、動けるよ』

「えっ、しーちゃん?どういうこと?」

『私は魔法使いの助手をしているの』

「魔法使い?」

私は、息を飲み込んだ。


『あなた、魔法使いになりたいんでしょ?』

「どうしてそれを・・・」

『ずっと見てたもん。だからその願いを叶えてあげる』

「本当に?」

私は頭がこんがらがった。


『まず、あなたの名前は、楠幸子(くすのきさちこ)でいいのよね』

「うん」

『早速、今日から特訓よ』

私は、この子にかけてみる事にした。


カツカツ


ペンを音立てる。


えーと、それから・・・どうしよう?

「リサ、早くしなさい。お仕事よ」

「はーい」

お母さんに呼ばれて、私は下りて行った。


「今日も、魔法使いのお仕事しっかりね」

お母さんにほうきを、お父さんからはバックを渡される。


「しっかりな」

両親に見送られて、私は仕事に出かけた。


私は、リサ。

魔法の国に生れて、魔法の国に育った。


私の世界では、魔法が使えて当たり前。

なので、普通の女の子になりたいと、誰もが夢見る。


でも、この世界では人間にはなれない。


なので、せめて話の中で書いてみたい。

魔法使いに憧れる女の子の話を・・・


題は「私は、魔法使い」

これから、どんな話にしようかな・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私は魔法使い 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る