第6話 第10回大阪オープン

会場は日本橋の有名ホテルの1Fレストランがメインだった。他にもサブで何室か使用した。大阪支部が主催する年に1度の大イベントそれが大阪オープンだ。

オープンクラスには30人以上が参加し、2日間のトーナメントを戦う。もちろん、皆泊りである。東京はもちろん、北海道、九州、海外からの参加者もいる。事実上のプロトーナメントなのだ。エントリーフィーは数万円。優勝賞金は数十万円。それ以外に副賞やら何やらがある。みな、お金が欲しいのもあるが名誉を賭けて戦っているのだ。いかに良い大会になるか。それは概ね主催者の力量と言えるだろう。

初めての大阪オープン。私は中級戦に参加した。何しろオープン・クラスの参加者は怖い人ばかりなのだ。とても勝てる気がしなかった。

2日制である。ホテルで中華を食べた若手の悪い奴ら、その大元が、T女史なのが、7人程で近所のゲイバーに行った。行って何をするのか。酒を飲むのはもちろんだが、バックギャモンをするのである。

バックギャモンのボードはアタッシュケースの仕様になっている。ただし、センターベンツだ。私は東京の若手と戦った。若手と言っても。30前後。10歳ほど年下だ。一流高校、一流大学卒のエリートだ。公認会計士もいた。

負けた。ぼろ負けだった。どれだけ負けたかった。1回の飲食に要する程度だ。合法だ。

24時を回っていた。ホテルへの帰り道にコンビニがあった。そこでサヨナラとなった。一緒にホテルには戻らなかったのだ。その軽さが国際的だなと、妙に印象に残った。

2日目。私は中級戦で優勝した。

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