第5話 大阪例会の人々

大阪例会は毎週日曜日に行われていた。2002年。その頃は、本町のホテルが会場だった。いろいろな人がいたな。景山プロ。支部長と呼ぶと怒る支部長。順子さん。小倉さん。長谷川さん。高橋ねこさん。みゆきちさん。中川路さん。たむさん。みーちゃん。みーさん。キャメロン氏。バッカモン氏。キタジ氏。ドメルンさん。寺尾さん。ちゃんさん。きたちゃん。きんちゃん。とりやまさん。沼沢さん。西澤さん。準一さん。きしやん。ああ、日本バックギャモン協会のホームページを調べれば、各回の参加者が分かるのだろうか。


昼に始まり、終わるのは夜の7時。それから皆で飲みに行くのが恒例だった。居酒屋、焼き鳥屋、中華。ここでポジションを書いた紙が回ってくる。問題である。みんな、どこまでもバックギャモンが好きだった。いや、今も好きなのだろう。魅力的なゲームというよりも魔力的なゲーム。そうだ、魔性のゲームだ。


みんな帰りは遠い。奈良、和歌山、京都、神戸。終電は当たり前なのだった。


あの頃。誰がいただろうか。思い出すだけで楽しくなる。飛んでる人々。


一見すると、誰もがマトモな社会人に見える。そういう人たちが集まって、日曜日の真っ昼間から、サイコロを振るゲームをやっている。え、あの人たち、何をしているの。道行く人が足をとめて覗き込む。異様な光景を見るかのような人たち。そんなことを気にすることもなく、例会は行われる。キングオブゲーム。プレイヤーは誰もがそれを、バックギャモンだと思っている。今年はモナコに行くの。そんな会話が普通に行われる。囲碁や将棋、麻雀とは全然異質の世界。嵌まったら抜けられない。それが大阪例会なのだ。


大阪例会の人々について書こうかと思ったが、フィクションだと抗辯したところで、プライバシーに触れることになる。豪邸やお店、マンションの所在地など、具体的過ぎて書けないし、マネーゲーム、シュエット、ポーカーについて書くのも拙いだろう。従って。この章は終わりにする。


まあ、イベントとして年に一度の大阪オープンがあること、夏合宿があることくらいは逆に書かないとまずいだろうか。


2002年。17年前ですよ。時は流れたんですね。さあ、小説でしたな。小説。


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