第7話 研究会で大喧嘩
毎週日曜日の例会だけだはない。土曜日には研究会をやっていた。場所は難波のサブウエイ。カフェだろうがレストランだろうが、カラオケだろうが、どこでもボードを広げるのがギャモンプレイヤーだ。この日は6人ほどいた。みゆきちもいた。各自が問題と解答を持ち寄る。なお、回答はコンピューターが出した回答だ。絶対視される。研究のプロセスでは、パソコンが必要なので、誰かが持参するのが約束だった。
研究は3時間を超えた。問題には、2種類あり、ある出目でどう動かすかというムーブの問題と、ある局面で、ダブルをするかという問題だ。コンピューターは正解だけでなく、間違ったプレイのエラーレートを出してくる。実に親切なのだ。
研究の主眼は、ある局面で、どう考えて正解を導くかだ。まあ、ロジカル・シンキングなのだが、ロバート氏は懐疑的だった。景山プロは超絶熱心だった。
ロバート氏は言った。「数学的に求められた正解に、言語的解釈で説明するのは無理なんじゃないですか?」
景山氏は烈火の如く怒った。全身が真っ赤になった。「言語的説明で正解を導くことが研究の趣旨なんです。ロバート氏は、もう研究会に来ないでください」
仲裁に入る人間はいなかった。暴力沙汰にもならなかった。この事件があってから、ロバート氏は研究会に呼ばれなくなった。
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