第4話:あなたがおばあちゃん?

「?」



 姫乃は固まる廉に戸惑う。そのうち自転車を引っ張るゆきがニヤけた表情でそっと近寄ってくる。



「おいおい廉くん、あららーーぁ?」



「あの・・?」



「はは、廉くん、まさかのまさかか??」




 それでも返答できずにいる廉から離れたゆきは、姫乃の横に来た。




「おねーさん、名前は?」



「へ??」



「この宿にはなんできたの?こんな古びた「どーこが古びたんだい」」




 その声を聴いたゆきは、青ざめる。


 姫乃は初めて見るご老人に対してお辞儀をした。すると笑って近寄ってくるご老人は、どこか誰かを彷彿させた。




「アンタが姫乃かい?」




 姫乃を知っていた



 つまり




「あの・・あなたがおばあちゃんですか?」




「正解」




 その時に吹いた風は


 甘く


 優しい


 風だった・

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