第1話 緒紗嶺高校生徒会
※←このマークの付いたファッション用語は、
後書きに解説がありますので、
わからない時は参考にしてください!
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私の名前はススメ。
全国唯一のオシャレ推進校である緒紗嶺高校の生徒会長。2年生。
ここ緒紗嶺高校生徒会室で、オシャレ文化を存続するために、生徒会の皆と議論を交わしている。
「みんなと毎日顔合わせると飽きてきちゃうワ。お金出すから誰か顔いじってきてヨ」
そう言って万札の束を机に放り投げているのがモードさん、3年生。副会長を務めている。
アメリカ人と日本人のハーフで、高い身長にすらーっと長い足。とても美しいプロポーションだ。
好きなファッションの傾向は、超ハイブランド※を使ったコーデ※。
超お金持ちである。
「ウチはいややで、おかんとおとんからもらった顔を整形したないわ」
このコテコテの関西弁の使い手がミナミ、2年生。会計係を務めている。
身長は少し低めだけど、スリーサイズが外国人のモデルみたいに、ボンキュッボン。
好きなファッションの傾向は、ヒョウ柄コーデ……ではなくストリート系※。
ビッグシルエット※の服が好みっぽい。
「オサム、あんたこの金で整形してきーや。そしたらもうちょいオシャレなるわ」
「嫌っすよ! 」
生徒会唯一の男子、オサムくん。1年生。書記係を務めている。
中肉中背でルックスも普通。
特徴がない。
好きなファッションの傾向とかも特にないみたい。
「モードさんまじ、とりあえずその万札の束片付けてくださいよ!」
「オサムはほんと堅いネ」
「こんなんほっといてはよ会議しよや、ススメ」
「私はずっと待っていたのだけれど」
ごめんなさーイとノリの軽い謝罪が聞こえてきたが、無視してホワイトボードに今日の議題を書く。
「オタクの服装のダメなところ……すか?」
「あラ、そんなの簡単ヨ。安いってとコ」
「真面目に考えてください、安くても良いブランドや服はたくさんあります」
「とは言いつつ書いてくれるのネ」
「一応意見ですから。」
モードさんは、真面目に考えているのか、ふざけているのか時々わからない。
「ウチが一番思うんはサイズ感やな。」
「どういうことっすか?」
「オタクって服買うとき、絶対ワンサイズ上買うやん?本来Mくらいのガタイやのに、L買ったりするねん。」
「いいじゃないっすか、大して変わんないでしょ」
「アホか、だいぶ変わるわ。シルエットもダボダボになるし、何よりだらしない印象を与えるねん」
「私もミナミと同意見ね、
袖が手の甲に被さるくらい大きいパーカーに、靴が覆われるくらいブカブカのジーパンを履いて歩くオタクが、最近かなり多いわ」
「せやろ? だらしないよなぁ」
「なんか、着れたらいいやって雰囲気が世のオタクに蔓延してる気はするっすね。」
「オサムは人のこと言えないヨ」
「いいじゃないすか意見くらい!」
コンコン。
ノックの音が確かにした。
「ど、どうぞ……」
私は突然の訪問者に戸惑いを隠せない。
「失礼します……」
訪問者の正体は、とても可愛らしい1年生の女の子だった。
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~用語解説~
ハイブランド……
数々の有名ブランドの中でも、トップレベルのブランドのこと。
LOUIS VUITTONやGUCCI、BALENCIAGA等がこれに該当する。
コーデ……
コーディネートの省略。
服の組み合わせのこと。
今日は〇〇コーデやねん、なんて言い方をすればオシャレ。
ストリート系……
すごく定義が難しく、解説しにくい。
一般的には、どこかのデザイナーやブランドが提案したファッションではなく、若者たちが普段着ながら街を歩きそうな服のことを指す。
多分ストリートファッションでググって、実際のコーデ見てもらった方が分かりやすいです。
ごめんなさい。
ビッグシルエット……
着たときのシルエットがゆったり目に見えるようにわざと大きめに作られているトップス※のこと。
好みが分かれるが、着こなせればオシャレに見える。
ちなみにオーバーサイズとの違いは、わざと大きく作られているか、そうでないかである。
オーバーサイズは後者。
~解説の解説~
トップス……
上半身に着るものを指す。
この言葉を使うと、オシャレ上級者っぽい。
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