第2話 残夢揺籃
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こんにちは。
こんにちは。
夏の匂いと、鳥の声。
薬の匂いと甘い匂い。
青い空と、白い部屋。
私は今日もユメを見る。
何度も。
何度も。
ユメを見る。
それはとても楽しくて。
いつまでも続いていく。
「そろそろ時間だから帰らなきゃ」
私のとなりで、だれかがいった。
いやよ。
いやよ。
「まだまだ一緒に遊びましょう?」
私がそう言うと、みんなも歌い出す。
夏の匂いと、歌い声。
薬の匂いと甘い匂い。
緑の原っぱと大きな木の下。
おいでよおいで。
おいでよおいで。
そしたらさようなら。
そしてこんにちは。
星の光と月明かりの丘の上。
みんなで火を囲んで手をつなぎましょう。
そしたら一緒に踊りましょう。
ぐるぐる回って。
ぐるぐる笑って。
ぐるぐる歌う。
回り廻る夢の揺り籠。
もう絶対に帰さない。
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