第二話 さあ、お話は続くよ! 眼鏡っ子の正体を知りたいから。
冒頭より、さりげない一言。
『パイロット版である第一話が終わり、
ここから、本当の意味での連載スタートです。以後、お見知り置きを……』
と、ご挨拶も兼ね、ここからが本題。
四角い窓から差し込む日差しは、夕方のものではなく、
まだお昼過ぎのもの。
それからね、いま地球に届いている太陽の光は、約八分前のものだそうだ。
それでもこの場所は、薄暗くて冷たく青っぽい。
決して明るくなることはないのだと、丸い眼鏡の奥の瞳が、物語っていた。
今は、一日のお勉強の時間が終わったのだから、
そう。今日一日の『授業』が終わったのだから、
つまり時間外。大人になったら、残業というものがある。……でもでも、中学生になっても『クラブ活動』と呼ばれるものがあって、『放課後』という時間に行われている。
それでもって今も尚(第一話から引き続き)――。
まるで時間が止まっていたような、……
立ち位置。ポージングまでも維持で、
文字通り、上からも下からも泣いちゃったわたしと、それ以前に全身ずぶ
で、どちらが先に
「……あの、大丈夫?」
と言われても、今は
わたしたち二人の四つの目をもっても、……一人は丸い眼鏡で、二つの目を追加したとして、合わせて六つの目ということになっても、それで三百六十度、辺りを見渡したとしても、この場にいるのは、……やはり二人だけ、ということになる。
やっぱり、三人目は存在しないのだ。
昨夜のホラー映画、
「……あの、ごめんなさい」
と、
でも、誰かのせいだから、
「……駄目、許さない」と、一言を発する。
「えっ?」と、それに続くのは定番だけど、
「一緒に帰ってくれなきゃ、やだ」と言う。
それによって付け加えられる、意外な展開を目の当たりにした驚きの表現。しかし、よくあるパターンの「
その声もまた小さくとも、
「
そう、ハッキリと、わたしは言う。ビックリしてしまった丸い眼鏡の子は、
「え、えっと、瑞希さん?」と、小さくパニック。
せっかく泣き止んだというのに、目にいっぱい涙を溜め……そんな感じだ。
でも、それでも、
「えへっ」っと、顔を上げる。わたしはもう泣き止んだ。……だからなのだ。
こうして今ハッキリと、間近で、お互いの顔を見る。
このジャンルはホラーではなく、
お友達を作るお話……この瞬間、
そう、わたしは思った。だから出来る限りの笑顔で、
「じゃあ帰ろっ、
「うん」
……そう、迎えてあげたなら、この様に、
この子は笑顔で答えてくれる。……そう、心からグッときた。
それから、くどいようだけど、ずぶ濡れ。
足元の水溜りから解放され、トイレを出て、帰り支度のために教室へ向かうも間も、
それでも、
よく見たら
女の子から見ても、可愛い方じゃないかな?
丸い眼鏡の奥では、パッチリした目。……わたしは心が躍るのを、
佐藤……(ごめんね、下の名前が思い出せないけど)さんは、四年二組で同じクラスの女子。背は、わたしと同じくらい……とはいっても、わたしの背はそんなに高くなく、体育の時間でお
「うん」と「ううん」……
ミュートでもなく、声が小さいだけ。
これも又くどいようだけど、わたしの小型探知機のような耳なら、問題はない。きっと普通に、お喋りができると思うの。……と手と手を握り合い、頭をやや空に向けて、瞳が輝くイメージ。少女漫画の、あの流れ星を見つめるような乙女チックなイメージだ。
――見つめ合う瞳、……まだ一方通行だけど、
「わたしたち、きっといいお友達になれるわ!」
「えっ?」と、いつもの小さな声を覆すような声量。今度は、わたしが驚く番だ。
それにワンオクターブ高目で乙女チックで我ながら似合わない口調。自分でも何だか、気持ち悪かった。……ボクッ娘とまでいかないけど、そんな類の口調がやっぱり自然だ。
気がつけば、――おおっ、良かった! この子はすっかり笑顔になっている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます