How completely day. 3
Quelle journée!
ミシェルは笑い転げながらトタントの石畳を歩いていた。来た道には点々と赤い苺色の水玉模様が続いて、革靴の踵で踏んだそれが、でたらめに絵の具を指で擦ったように引き伸ばされる。道に
「───あ、れぇ……?」
不意に異変に気づいて、ととと、と装飾音符的に靴先を止める。血が瞼に垂れてよく見えていなかったが、よぅく見ると、青っぽい夜のなかに人が倒れていた。他の通行人も気づいたようで、おやおやと笑い声と一緒に集まってくる。
「Oh là là!──レベッカ?」
そばかすのある顔立ち、痩せたジーンズの脚、大きめのスニーカー、足首がぐんにゃりとしていて、ああ殴りすぎたときに人はこうなるなあと思いながら、傍らに座り込んで、声をかけた。「あはは、レベッカ、元気そうには見えないけど、ふふ、Howdy?」
返事がない。もう一度オーララと呟き、ミシェルは立ち上がって公衆電話を(スマートフォンはどこかに落としてきた)探……そうとして、自分も後ろにひっくり返った。薄目をあけると、赤や緑の星が散っている。トタントの夜空はこんなにカラフルだったろうか。
「もしもし─あはは─人が─倒れて─るんですけれど。場所は……通りの──えへ、やっぱり皆電話してるんだ──あははは」
「……え? 俺ですか? ─あはは、確かにさっきジャムの壜が降ってきて──そう、はは、可笑しいでしょう? ──え? 呂律が変、──」
──暗転。
5/31 Michel
Shock!
・・・Lucid interval・・・
Syncope! ⏪NOW…
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