だが、10年後の不安はあれど、「金神様」の社に言っておくのは悪くはない


とりあえず、「糸」と「砲手」を除いたメンバーでお参りをすることにする


古ぼけた、神社で後ろに山があるから――「鎮守の森」があるから、なおさら神威

を感じずにはいられない


樹齢千だとか、二千だとかの大木ーどうでもいいが、階段の段数多いな

まぁ、理由くらいは知ってるーーもともと、神社はあまり人の入らない山奥とか


そういう大自然、とかのほうが神の力が増す、そう呼ばれてきた

それだけではない「鎮守の森」の、鎮守とはなにかーー神が納めている森ということだ


ーーーその中には、うかつに人の領土に入らないように封じられてる、悪魔、妖怪もいる


ーーますます、勝てる気がしない、、、というか、かったところで、「鎮守の森」に封じられていた妖怪どもが人を襲う


ーーそしてもう一つ、簡単に行けるところに会っては「悪い人の念」「恨み、つらみ」「都合のいい欲望」とかが社に巣を作りーー神の力を穢しかねない


というわけで、黙々と上る、「遠路はるばるようきたなぁ」

かわいい声がする

「安心せぃ、うちがあんさんら、人とやりあおうなんて思って居らへんよ、ただ」


「神の力はとは、ひとの思いーーうちもだいぶ忘れられてもうたし、もう社は些細な年月で壊されてまうやろなぁ、そうなったらうちとしても力はだしにくいねんーーせやからや、あんさんたちが何とかしてなぁ

うちが封じ取る妖怪らまかせてよろしくお願いやで、もうーーうちが消える寸前さかい」


ーーコのちに来た霊能者だから、方言が絶対ここ(南九州)とは違う、そんな気がしてたが

そういうことだったんかい、にしてもまぁ、よく関西からここまで旅したもんだよ、そう考える「既知」

ーーただ、「粒子開放」も、そこまで都合のいい能力ではない

「人」はおろか「動物」でも、他人はできないし、--それに、さっき粒子化した刀は、たぶん洞窟内の空気に漂っているだろう


ーこの能力の困った点は、風が吹くと粒子がどっかいくし、無風でも自分の周りの少しの空間でしか「復元」「改造」不可というところにある


粒子は、意図して持ってけないのだーまさに、どうすればいいのかわからない気持ちになりながらもそんなことはおくびにも出さない

っていうか、出さない

ーーなぜなら、神にとってそれは、「消滅」を意味するー消える寸前とは、「滅びる」死ぬことを意味する


ーー死にゆく者の前で、やっぱ無理ですなんて言えるわけがない、こくんとうなずいておいた


ーーどうやら、またたすくがふえたようである

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