異人殺し

「金神様」とは、この地域におけるーー富と金の象徴


ーーかって、「既知」の祖先の家に、六部(霊能者にそう呼ばれるものがいる)

がやってきて、「一晩泊めてくれ」と頼んだ


「いいですよ」、祖先である夫婦二人はそう答えー快く止めた

だが、六部の持つ「路銀」に目がくらみ――村総出で、焼き殺した


金を奪い、山分けしーー大層な日照り続きで例年なら飢饉に陥るところを助かった


だが、村人は復讐を恐れた、それはそうだろう、だって「霊能者」を殺したのだ


ただで済むわけがない、すむわけないからーやしろをおき、そこに遺体を安置して拝んだ

「許してくだせぇ、ゆるしてくだせぇ、でも」

ーーーーでも、とみはくだせぇ

ぞっとした、いやな話だったー殺し、路銀を奪い、それでも金を望む人の業


ーー金儲けけということに対して、「既知」は肯定的だ

というか、「商売」の目的は金もうけなのだから、金を儲けることは悪くないと思う

ただーーだます、奪う、殺すしてまで、金を手に入れるのは道理に反すると思うだけで

そして、村人は――「金神様」という名称を付け、-巫女をつけた


「巫女の役割は慰めること、金神様の魂を慰め続けること」

ーーだが、それは同時に、慰め続けなければ呪われるということを意味する


金神様は、乙女とか16,15歳の女の子とかいう、今まで気にしたことなかったが

ーーーそういえば、後継者がいなくてー社は10年以内に取り壊される、という話をどちらの世界でも聞いた

ーーそうなったら、どうなる、人形が出る、それだけじゃない、下手したら「金神様」まで相手しなくちゃいけないんじゃないか


ー殺して、勝手にまっつて、富と金をくれた相手に対してーー「退治」はひどすぎる気がする

ーーだが、そもそも勝てるのか、、、、相手は正真正銘の

「神」だ

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