浮浪者たち

そのとき、あの日たちが木になってたので行く

通りの端のほうに家族が、風呂敷の上にいる

「よ、こんにちは」

「おねえちやん」

子供が抱き着いてくる

「おーー、、、おっきくなったなぁ」

服の裾を引っ張られる

「、、、お姉ちゃんお久しぶり」

こちらは少し恥ずかしそうだ

「国家文学者になったんだろ、、、恵んでくれよ」

「家が焼けたんだよ、無理だよ」

笑いながら父親のほうに向きなおる

「あらあら、ざまぁないわね」

「ちょっとは本音隠してくれないかな」

母親は意地悪な笑みを浮かべる

そこへ別な子たちが欠けてくる

「おーーい、おーーーい」

そして、橋の下から浮浪者が来る

ぼさぼさの髪ーーのびっきったひげ

一枚しかない服は汚れてる

その横を牛車が通り抜ける

貴族だ

こうがみは、元浮浪者であるーー現浮浪者でもある

ここらでの小遣い稼ぎといったらあれしかないー子供には

出店である

表通りには、出店があるーそこを手伝えばお駄賃がもらえる

だが、ふと思い出す

ーーー寺子屋、貴族や武士といったメンツが通う学校と違い寺子屋は金がかからない

そのうえ休むのも自由ーーテストもない

だから、気兼ねなく先生をやれる

ここで先生になるかーーその前に出店を手伝うか


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