鬼造人間3

「人ではまず味わえない体験、それを感じてもらおうと思います」

野原での死体の骨集め、頭から足の先まで順に並べ

 ヒソウなる薬を骨に塗り、植物でくくる

そのうえにさいかちとむくげの葉を焼いて頭蓋骨に塗りたくります

(「私は何をしているのだ)

7日間何も食せずーー作ります

 そこに、鬼が持ってきた竹に書かれた文字を読み

ここに、反魂の秘術は完成したのです

骨に肉が付きーー耳が生え、、、一人の女の姿になると

 むくりと起き上がりました

「誰にも作ったことと、作られたことを言ってはいけませんよ」

鬼は二人に念を押しましたしかし

 有頂天になっていた倉川は翌朝友人にしゃべってしまい

彼と彼が作った女は溶けてしまいました

「この話に酷似している、、、、現場を見せてください」

  人通りどころか、人力車の音もしない、土でできた建物しかないところ

(相変わらずこの土の建物はうち(この国)気候には会わないと思うんだが

四季だからね、夏は暑くてしょうがない

暑い地方で土でできた建物はあるって

それにしたって蒸し暑くはないだろう

そこはどう見ても――赤い水たまりの中にピンクの液体が腐臭を上げる

「、、、、死んでいる」

腐臭は、一度感じたら忘れられないものだ

「完全にあの話の通りだーーどうすればこんな死に方がほかにできる」

太陽光で焼くーー熱した鉄のかまどの中に入れる

熱湯につけて殺す

「溶岩の中に着けるくらいしかほかに、、、こんな風に死ねるのか」

「でも、先生、、、友人は、、、、明春(あきはる)は、ジュツシではないんです、ただの酒屋なんです」

ーーーー二人で、明春の家に行く

「、、、、本当に、これであってるのかな」

 何か違う気がするーーでもその何かがわからない

主のいない酒屋は、もはや人がいない

乾いた風のみが吹き抜ける、吹き抜けていく

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