第3話鬼造人間2

その時、赤妖は正体を隠し目つきの悪い人間の男姿で彼の家に来たという

「そなたはだれじゃ」

倉川は、怪しんで声をかける

「そのようなものはどうだってよいことではないですか、

 私は暇を持て余していたのです、あなた様のような盤双六の名手と打ちたくて来たのです」

倉川は、恐ろしい男かもしれないと思いつつ、男と打ってみたいと思い

賭けを承諾しました

「で、どこで打つのだ」

「私どもの家で打ちましょう、家にだれも邪魔が入りません」

こうして男について歩いていくと

立派な門の前までついた

「あそこの屋根が私の家でございます」

しかし、それはとてもいけないと思ったら

 赤妖は倉川を抱えてするするっと上りました

「さて、賭けの対象を何にいたしましょうーー私が負けましたらあなたに大変珍しい体験を与えましょう、あなたが負けましたら」

「家にあるすべての財宝をくれてやろう」

男はうなずくと、さっそく盤を持ってきました

 倉川が、盤上で優勢になると男は髪をかきむしり、じだんだをふみ

背中からとげをはやし、牙をむきーー赤妖としての本性を現しました

 倉川は、その姿に腰を抜かしそうになったのですが、それでも

「、、、勝てば無力化できる相手だ、」

その言葉通りー倉川はかったのですが

 あるいは負けたほうが幸せだったかもしれません、、、よにも珍しき体験が倉川を手をこまねいて待っていました

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