地方自治体の条例(ルール)【 "自転車"保険の義務化】

zaq2

「自転車保険」の義務化って?

 自転車を交えた交通事故を経験した身からのお話で、いろいろと調べたことですが、あまり知られていないかな?という事で、小話です。




 それは、『自転車保険』についてです。




 この自転車保険、日本の法律上・・・で加入云々の事はありません。


 ただ、日本の地方自治体においては条例上・・・で加入「義務」を施行している地域があります。


 その地域は、


・埼玉県

・神奈川県 相模原市

・石川県 金沢市

・滋賀県

・愛知県 名古屋市

・京都府

・大阪府

・兵庫県

・鹿児島県


(2019年2月の状況

※:努力義務は除外しています


となります。



 もちろん、保険に加入しない、いわゆる"未加入"という条例の義務違反といって、罰則があるわけではありませんが・・・



 では、なぜ「義務」にした経緯を軽くみてみましょう。

 この自転車保険の義務化とは、いったいどうして成り立ったものなのか?




 一番よく言われる話として、自転車において事故が起きた時に、高額賠償請求が発生した事故から始まったと言われます。



 自転車事故で有名なもの(?)として、スマホなどの「ながら運転」で歩行者をはね、数千万円という賠償額になった事故がありました。



 「こんな高額な賠償金になるなんて・・・」とは思いますが、自転車事故においても、こういった事故が発生しうる可能性が秘めていると話題にもなりました。





 それまでは「自転車だから・・・」と甘く考えて、重大事故は起きない、起きても自動車にはねられるなどの被害者側という考えが大半だったと思います。



 しかしながら、この事故が話題になった事で、「自転車側にも高額賠償が発生する」という事がある程度認知された様です。


 なにしろ、その事故から自転車保険という保険がチラホラと出始めてもいったからです。



 これが「加害者」になった場合からみた側面で、この部分が推し進める大きな理由と言われています。




 こうして、自転車保険を推し進める形につながっていった、という話があります。






 ところで、上記の推し進める要因以外で自転車保険のもう一つの重要な側面をご存知でしょうか?



 実は、この話を書いた理由が、それを知っておいてほしい点です。





 それは「被害者」になった場合です。





 被害者になったら、加害者が全て悪い、という事をおっしゃられる話があると思いますが、交通事故を経験した人にとっては知っていると思いますが「過失割合」というのが存在します。



 これは裁判の判例を元に、どちらにどの程度の過失があったのか?という割合の基準を算出したものです。



 なぜこれを挙げたのか?というと、2017年ごろに道路交通法が改正され、自転車の取り締まりが厳しくなった点があります。


 "厳しくなった"という事は、保険に関しても見直されています。



 特に「過失割合」の部分が細かく策定されたり、見直されたりしました。



 例えば、いままでは9:1などの割合だったところが、「"自転車側"にも非がある」と判断されれば、8:2や7:3へと自転車側の過失割合が変動していくからです。




 極端な例をあげてみましょう。

 どれも自転車側が被害者として・・・


 「自転車が逆走」しなければ事故が起こらなかった場合は、この「逆走」が自転車側の過失であるということで過失割合が変わるケースがあります。


 同様に、スマホなどの「ながら運転」で注意を怠っていた場合(視界が悪い交差点での飛び出しなど)、怠らなければ事故につながらなかったという場合であれば、過失割合が変わっていきます。




 そうして、「加害者側が自動車」で「被害者側が自転車」であったとしても、過失割合から加害者側からが受けられないという形になります。



 つまり、過失割合が8:2となった場合、相手が任意保険だろうと全額は支払れず、2割が自己負担にならざるえません。



 そうなってしまうと、たとえ自転車が全損となってしまっても全額から自己の過失分が差し引かれた一部となる。という話になります。




 もちろん、今言った話はあくまでも極端な例ですけれど・・・

 ゼロでもない話でもあります。



 自転車保険には、そういった場合における自己の範囲分を補填するという側面があります。

(これも契約する特約内容の話があるので、全てが全て対応しているとも言い切れませんが・・・)






 ということで、自転車保険には「加害者になった場合」と「被害者になった場合」という大きな点で二つの側面が存在しています。

 (ほかにも盗難や破損に対してもありますが、それはここでは省略します)





 では、あわてて自転車保険に加入する必要があるのか?という話なのですが・・・






 実は他の保険とセットになっている場合があります。



 例を挙げるなら自動車保険が自転車保険の代わりになる場合です。


 この自動車保険、付随する特約に「同じ世帯に同居する家族が、自転車事故を起こした場合(起きた場合)」という風に、セットで含まれている場合があります。


※:同じ世帯でない、同居していない、家族(1親等など)でない、などなど、特約の詳細によっては異なりますのでご確認を。



 他にも、火災保険にも含まれている物もあります。




 これら、別の保険に加入して特約でセットになっている場合は、その範囲によっては、たとえ義務化の地域でも追加で加入する必要がない場合があります。


 なので、まずはご自身が加入されている保険を見てみてはいかがでしょうか?







 さて、


 事故というのは「自分から」起こす場合もあれば「他から」予想外にふりかかる場合もあります。



 "もしも"に対応するために、今一度、見直されてみてはいかがでしょうか?



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