第1話 生まれたよ
拝啓
お父さん。お母さん。
前世ではちゃんと親孝行できなくてごめんね。高校デビューに失敗して一時期不登校になりかけたけど、2人が最早強引に背中を押してくれて結局卒業出来なかったけど友達も出来て幸せでした。
この度、新しく生まれ変わる事になりました。ニュー穂乃ちゃんですよ〜。もう会えないけど2人がくれた物は私の宝物だよ。
ところでさぁー。生まれたそばから修羅場なんだけどどうしよう?
敬具
「王妃様…双子なんです。」
なんか嫌な予感がしますね。
というか私って王女様に転生したんですね。って王女って悪役令嬢じゃないですか!ん?何で公爵令嬢の筈の悪役令嬢が王女かって?
養子なんだよねー実は。
「ごめんなさい。ごめんなさい陛下。この子が私達の子じゃなかったらどんなに幸せでしょう。」
「、気に病む事は無い。この子は里子に出す。誰にも殺させない!」
そうなんだよね。この国の王族は双子が生まれたら片方は殺さなければいけないっていう伝承があるんだけど、国の重鎮も王様もこんな法律おかしいと思ってるし。ゲームでは神話に心酔してる庶民の反発があるから、王妃様 イレーナ様と王様 ユーリ様は、妹の私の方を王妃様の兄に当たるグラナーティス公爵に預けた。
あ~なんか声かけられればいいのになー
赤ちゃんだし、あうあうとしか言えないわよね。
「ユーリ…この子を引き取ればいいのか?」
あ。お義父様。
「あぁ、育ててくれ。この子の名前はレベッカだ。レベッカ、不甲斐ない父ですまない。許されるとは思っていない。でも出来る事なら一度でいいから父と呼んで欲しかった。」
あ~めっちゃ良い御父様だわ。呼んであげたいぃー。御父様おとうさまー
「おとーしゃまー」
あれ!?
声出たわ!
あ。皆びっくりしてる。
「レベッカっ!!」
お父様とお母様が抱きしめてくれた
どうしよう。涙出てきた。
「おとーしゃまー ぅぅグスッ」
ちょっとゲームの悪役令嬢の気持ちがわかったかも。急に親から引き離されたもの同士だからこそよく分かる、ヒロインもそうだけど。彼女が親のいないヒロインをいじめてたのが信じられないくらいに彼女にとってもこの二人は本当に愛してる人だったんだと思う。だから私もちゃんとゲームの中の人じゃなくて一人の人として二人に愛を返したい。
だって皆ちゃんと生きてる人だから。
悪役令嬢ルートがあるらしいのです クルル〜 @Miu1645
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