3052 新しい戦乱の地へ

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 ナナメの家を後にし、高級そうなレストランでメシを食ったあと、すぐ出発した。


 今は嘉義と台南の半分まで進んた、馬車では1時間ぐらいで到着する予定だそうだ。


 メメちゃんは馬車の後ろに、自律モードで移動している。


 それにしても、メメちゃんは本当に素晴らしい機体だ、人工知能だけでもかなりの高レベルだし、まさか完全ステルスモードは目に見えないだけでなく、音まで消えることが出来るとは、こりゃ何かとぶつかっていないと、全くの消失だ、ナナメも大したものだな。



「天上さんすみません、いつもいつも天上さんの奢りで…」


「気にするな、元々妻探しの旅のために稼いた旅費だ、少々余ったからな、しばらくは問題ないだろ。」


「一体いくら持ってますの?」


「2千万程だ。」


「ひぃぃーー!?」


 2千万だと!?ヤバくない?さっきの全員分のメシも3百円だけだったぞ?しかもかなり高級なレストランだぞ!?2千万だと一生豪遊できる程の大金じゃないか!


「はっ、あはははっ…お、お金持ちですね…」


「そうか?ナナメのやつ、出費が酷いぞ?」


「お兄様!」


 ああー、メメちゃんのためか?そりゃ仕方ないな。


「そういえば千月さん、なにも持っていませんね?よくここまで歩いてきましたね。」


「ああ、さーちゃんのリュックとゆうちゃんの鞄は、元々私が持っているものです、前の怪我で二人に預かった後、そのままでした、返してって言っても…」


「いやだ!僕はねえちゃんの荷物を持ちたい!」


「そうですわお姉様、お姉様の負担を減らしたいのですわ!」


「…ほらね…、全然返してくれませんでした。」


「千月さん…、凄く崇拝されましたね…」


「あーはははっ…、えっと、ナナメさんこそ…荷物はそれだけですの?」


「ええ、嘉義に住む前に、長年お兄様と一緒に旅をしていますから、元々私物はほぼありません、必須品とお兄様のお金など全部メメちゃんの仮設コクピットに詰めています、私はこの鞄だけで十分ですね。」


 なに!?メメちゃんが2千万も持ち歩いているのか!そういえば今は銀行などいないし、仕方ないか。


 しかし仮設コクピット?操縦席は仮設だけなのか?つまり自律行動前提の設計か?


「ノートパソコンですか…」


「ああ、昔の我も、ノートの愛用者だ…、惜しいものだな、全部なくした。」


「天上さんが…パソコン?なんか想像出来ませんが…」


「何を言う、隔離前の我も、普通の青年並みの趣味があるぞ?」


「昔お兄様のパソコンの中身はすごかったですよ?ゲームがいっぱいで、あと大量のエ…」


「おい!ナナメ!」


「ふふふ…」


「なんか…クールな印象が壊れた感じ…」


「パソコンは使ったことないね。」


「隔離の時はお嬢様はまだ7才だけですからな。」


「しかし不思議なものね、まさか今でもこんな電子製品が持ち歩くことが出来るなんて。」


「ええ、これも氷人の秘密のお陰ですね。」


「しっかしさぁー、そんなことが出来たら、普通に現代武器も使えるんじゃない?そうなったら台湾征服なんて一発じゃん?」


「しない方がいいですよ?嚮後さん。」


「なんで?」


「私達だけならともかく、大量に生産すると、その共通点は必ず発見されます、そうなったら大変なことになります。」


 ああ、うちも最初から危惧したことだ、だから千月の携帯電話を捨てる方がいいっと、リボンと一緒に鞄丸ごと奪われたら、発見される危険性がある。


「そういえばそだね。」


「でもナナメさん。」


「何でしょう?千月さん。」


「さっき言いましたよね?氷人の知識についで何もわからないっと、どうしてその秘密が知ってますの?」


「ああー、それはですね、お父さんが残したマニュアルに書いていますの。」


「マニュアル?メメちゃんの?」


「正確にはメメちゃんの原型ですね、機体型式番号は地球の文字では、T-xgs038-D、通称キャメロットですね。」


 なに?Tシリーズ!?しかもDタイプだぞ?退役寸前の量産機じゃねえか!全然違う形だぞ!ここまでの魔改造が…、ナナメマジすげーな。


「なるほど、マニュアルですか。」


「ええ、しかしわかるのはそれしかありません、お父さんはそれ以外、何も残っていませんので、氷人文字の解析だけでも一苦労しましたよ?」


「そうですか…しかしキャメロット?確か地球のものじゃないですか?」


「ああ、アーサー王の都だ。」


「そうですね、お兄様、千月さん、実は私もこの事を知った時かなり驚きました、マニュアルに書いている装備には、他にもブリューナク、ファランクス、エクスカリバーなど、地球人の中世文明と神話から残された名前が大量にあります、文字自体は違いますが、発音と意味は同じです、原因はわかりません。」


「そうですか…変ね。」


 ああ、確かに変だ、うちらも地球に着いた時凄く驚いた、だが原因は未だに解明されていない。


「なあセント、アンタ分かる?あたし全然理解出来ないけど。」


「もちろんわかりますとも、お嬢様はわからないのも無理はありませんな、幼稚園卒ですし…」


「ウォータープリズン!」


「あっ、まっ!お~~じょじょ~~ぐるぐるぐる~~!」


 あーあー、溺れたな、言葉が災いっというのはこの事だ。

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