2031 不気味な援助
「本当にすみません、千月様、自分の落ち度です、食事のことをすっかりと忘れてしまいました。」
そのあと、セントラルと春ねえは、ここの食堂みたいな所に連れてきた。
「いいよいいよ、セントラルも一緒に食べよ?」
「じ、自分なんか…」
「セント、いつまでそんな卑下な態度でいるつもり?座ったら?」
「はい…姫様の仰せのままに。」
「はあ…だから、私はもう子供じゃないって、何度言ったらわかるのかしらね…」
「姫様は自分にとって、いつまでもあの小さな可愛い姫様です!」
「か、可愛いっていうな!恥ずかしくないのか!?私はもう30代過ぎたのよ!」
「姫様は例え100才になっても、自分にとって…」
「ストップストップ!もう!」
「あ、アハハハ……」
「お姉様、春ねえ様はすごく楽しい人ですね。」
「うんうん!」
「こらゆうちゃん!適当な事はやめなさい!私は怖い人だよ、このように!」
おう?春ねえのコチョコチョ攻撃、佑芳の腰に直撃!
「ああ!アハハハ!や、やめてください!いやハハハっ!」
「はっはっはっ、姫様の小さい頃のコチョコチョ攻撃は、自分でも敵いませんぞ!」
てかなんだよこの人達、静かに食事を進めることもできないのか?さっきからギャーギャー騒いて、佐方に学んてよ、静かに食っているし…
「ハグ…モグ…美味すぎ…ガプ…」
あーあー、行儀が悪いな…
食った食った!この方塊酥って、すげーうまいな、あと鶏肉飯も超旨かった、名産だけのことがあるな!
しかし五人分程食ったぞ、千月のやつ、イブの消耗はあるから仕方ないけど、一気にこれ程も食えるとは、一体どこへ行ったんだ?胃の容量より多いじゃないか?
「姫様、そろそろ時間が…」
「ああ、そう言えば3時から会議があったね、千月、済まないけど、私は先に行くよ、セント、天上さんの言われた通りにしよう、私も、君はそろそろここから出た方がいいと思うよ、これはいいチャンスね。」
「了解であります、天上さんと姫様の仰せのままに、それに自分は千月様にも興味があります。」
「セントまでもか…千月、訳がわからんが、君はやはり、常人を越えた何かが持っているでしょうね。」
「ふええーー!?そ、そんな…私なんか…」
「じゃあ、後はよろしくな、セント。」
「わかりました。」
そういったあと、春ねえは食堂から去った。
「では千月様、この嘉義城をちょっと回ってみませんか?案内なら、お任せを。」
「えっと、セントラル、春ねえはセントって呼んでいますね、なら私もセントって呼んでいいかしら。」
「もちろんだとも、実は願ってもない呼び方です、天上様もそう呼んでいますよ。」
「ではセント、さっき言いましたよね、なぜセントも私に興味があるのでしょうか?」
「天上様のメガネにかなう方は、一体どんな人物なのか、すごく興味がありますな。」
なるほど、春ねえと同じか。
「そうですか、では天上さんからセントに命じたことってなんです?」
「それは、千月様の身辺警護と、可能な限りの協力、何なりと、自分に命じてください。」
「え?そ、それって…」
「簡単にいえば、千月様専用のボディガード兼執事ですな。」
「ええええーーー!?」
ま、マジかよ!?何という出血大サービス、ここまで貰えて本当にいいのか?
『千月!なんか悪い予感がするぞ、なんの理由もなくここまでの援助をくれて、必ず何かの陰謀があるのだぞ!』
「ねえちゃん!僕新しい服が欲しい!」
「ええ、お姉様、私も、こんな都で、こんなボロい服は…」
な、なに言ってんだよ!これ以上貰えると、あとでなにを要求されるかわからんぞ!
「さーちゃんゆうちゃん!いけません、これ以上は…」
「はっはっはっ、佐方様、佑芳様、もちろんいいですぞ?この嘉義と雲林ならば、何なりとご希望に添えることができますぞ!」
「わいー!」
「ありがとうございましたわ、セント様!」
「では行きましょうか?千月様、いい店を案内させていただきますぞ!」
「あ、いや、あのですねーわーー!」
ちっ、ヤバイ、佐佑が強引に連行されたぞ、子供を利用して…不味いことになった。
#
そして、気がづいたら、もう洋服屋の中に居た、2時間も…
「わー!ゆうちゃんこれ可愛い!」
「私はこちらの方が気に入りましたわ!」
「僕はこれがいい!」
「はっはっはっ、安い御用ですよ!」
あーあー、千月までも大興奮になった、もう止められん。
って、佑芳が今着てるのは…ゴシックドレス?
「ふわふわですごく可愛いです、気に入りましたわ、これで決定です!」
くっ、これはヤバイ、白くて透き通る肌と髪、そして黒いゴシックロリータドレス、すごく映る配色だ、やば過ぎる、可愛さ天元突破だぞ!
そして佐方は…同じ黒の5分丈短パンと黒のフード付きショートスプリングコート、あと黒いシャツ、大人っぽくと子供の可愛さ、そしてかっこ良さを合わせ持つ、非常にいい組み合わせだ。
「はっはっはっ、佑芳様も佐方様も、すごくいいセンスではありませんか!」
はあ…確かにこれなら、うちだって買いたくなるぞ、非常に不本意だが、今回だけなら大丈夫だろう、しかし…
『千月、おまえはいいのか?』
「千月様、もしかしてこの店の服が気に入りませんか?そうでしたら他の…」
「いえ…私は…いいの、この子達だけでお願いします。」
「そうですか、わかりました。」
千月…すごく欲しそうなのに、だが千月ならわかるだろう、これ以上甘やかしたら、後は必ず大きな反動を待っていることを。
しかしこれ程の服も普通に流通しているとは、ますますわからなくなる、長年の戦争状態って、嘘みたいだ。
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