第10話 エキシビションマッチ
「Excellent! 実に見事なHERO,SHOWだったよ」
舞台袖に戻った役者たちに、プロデューサーの男が拍手を贈りながら現れた。
「アン? おっさん何者だぁ?」
「やめろ熊崎。彼こそが今回のイベントの主催者、氷室 冷願殿だ」
「おっ……こいつが雇い主だったのか……」
ヴァルカンに制されて、山賊のような男、熊崎 吾郎太はバツが悪そうにその場にあぐらをかいた。
「プロデューサー、ありがとうございまーす☆」
「いやいや、礼を言いたいのはこちらの方だよ。君たちのような有名人に会えて光栄だ」
「そんな有名人だなんてー、アザトス、まだまだですよー☆」
氷室 冷願がこの3人を集めたのには理由があった。それはこれから行われる、ショーの後半のイベントの為である。
「スペシャルゲストのアザトスくん、キミにはヴァルカンくんとの対戦相手になってもらいたい」
「対戦相手ですか? んーと、アザトス、かよわい女の子なのになー☆」
再びヒーローショーをやれと言う意味ではない。ここからは彼らの本業である……、
「キミたちには、秘宝バトルのエキシビションマッチを行ってもらいたいのだよ」
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