第12話 引っ越し
「みーちゃん、今回のことでわかったことがある。」
「えっ?守くん?」
「みーちゃんと、一緒に居たい。忙しくても一緒に暮らせば、毎日会えるし…。
いつでも、お家デート状態になれる。みーちゃん、僕と一緒に暮らさないか」
「守くん…!嬉しいです。
でも私、不器用だから家事、てきぱきこなせないかもしれない。
守くんただでさえ忙しいのに、迷惑かけてしまいますし、それに私料理得意じゃない…」
「そんなことないよ、君の料理は美味しいよ。それに、家事は分担しよう。
一緒にやろうよ。君が家で待っててくれてると思うと、それだけで幸せな気分になる。
だめかな?」
「嬉しいです。でも、私たち知り合ったばかりだし、同棲なんてまだ…」
「早い、か…。少しでも君と一緒に居られる時間が欲しかったんだけどな。
…返事はいつでもいいよ。僕は、待つ。」
「守くんっ…」
美優は守の目を見詰めた。
「どうした?」
「まだ早い、って思ったけど、でも私…守くんと、一緒に暮らしたい…」
美優が顔を赤くして言った。
「本当、かい?」
美優は頷いた。
「嬉しいな…」
「来週、から…」
「ん。そうだね。みーちゃん…」
「守くんっ…」
2人はお互い、抱き合っていた。
美優は荷造りをしていた。
荷物は多くはないが、荷造りに忙しくしていた。すると、誰かが美優の部屋に入ってきた。
「みーちゃん」
入って来たのは、守だった。
「守くんっ…!」
美優は守に駆け寄った。
「手伝うよ。…よし、」
守は美優の隣で荷造りを始めた。
「みーちゃん、これは?」
「それはいりません」
「ん。これは?」
「あ!それは、いります!」
守が手伝ってくれたおかげで、美優の荷物は片付いた。
「これを運べばいいだけかな?」
「はい!」
「よし、じゃ運ぶよ」
「守くん、無理しないで…」
「大丈夫だよ。軽いから」
「そう、ですか…?」
「ん。」
守はそう言って荷物を軽々と持ち上げ、何度かに分けて車に荷物を運んだ。
「みーちゃん、いつでもかえっておいで。嫌になったらいつでも来ていいからね」
桃が言った。
「嫌になったら…って、そんなことさせませんよ!」
守が抗議した。
「桃は、ただみーちゃんを手放したくないだけなんだよな」
春彦が笑った。
「桃さんったら。私はカフェで働くんですから、
ただ住む場所が変わるってだけじゃないですか。もう、」
美優は笑っていた。
「そろそろ行こっか」
「はい!」
美優と守は幸せそうに、桃と春彦に手を振って車に乗り込み、去っていった。
「寂しくなるわね」
「毎日会えるじゃないか」
「そうだけど、どこかで、私の子みたいに感じてたのよ。可愛いでしょ、みーちゃん」
「確かにな。俺もそうだ」
「でしょ?さみしいわ〜」
桃は苦笑いした。
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