黄昏時の公園

春風月葉

黄昏時の公園

 日の沈む時間が来ると、僕らは皆別れ、子供達は自分達の家に帰る。

「また明日。」

 その日の終わりが悲しくないように、次を約束して帰るのだ。

 子供のいない公園、ブランコはまだ少し揺れている。

 僕にもまだ彼らの熱が残っている。

 烏が森に消えていくのを見送って、街灯が光るのを待つ。

 もうすぐ夜が来てしまう。

 夜は嫌いだ。

 身体は芯まで冷たくなるし、街明かりも消えてしまうから。

 黄昏が今日も別れを運ぶ。

 公園は熱を失っていく。

 あゝ、夜がやってくる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黄昏時の公園 春風月葉 @HarukazeTsukiha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る