「書けない」って泣いてるあなたへ

椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞

「書けなくなる創作論」なんか捨てよう

 泣いてるの?


 書けないの?

 それか、書けなくなった?


 まあ、キツいよね。

 まる二日あるって言っても、テーマが思いつかなかったり。


 だよね。オレもいつネタ切れになるかビクビクしている。

 この間もよく書けたなーと思った。


 

 でも、書けない理由は他にあるんだ。


●それは「書かない」から。


 書かなかったらいつまでも上達しない。

 誰にも読んでもらえない。

 

 とりあえず、「手を動かしてみるところから始めたら」どうだろう?

 手を動かしていけば、勝手に手が話を作り上げていく。

 勝手に頭がお話を作り始めて、オチのつく話になっていく。

 一日じゅうやっててもそうなるので、毎回仕事明けに数分だけ集中して書く。

 それを二日やればいい。


 

 一日六〇〇文字しか書く余裕がなくても、二日かければ一本完成するでしょ?

 


 キャラなんて適当でいい。文体も別になんでもいい。

 

 世界観だって、短編ごとに統一する必要だってない。

 オレも全部同じ主人公でやってみようと思ったが、ネタが尽きて挫折したんで。


 

 また、

「全部違うジャンルで挑戦しよう」

 とか、複雑なルールは作らない方がいい。

 できたら面白いけどねー。



 とりあえず手をつけてみる。


 例えば、今回のテーマは「ルール」でしょ?


・職場にある変なルール

・未だに古風なルールに縛られる学校

・ブルマ廃止に今こそ異を唱えろ!

・我が家の食卓では、こういう掟がある(食べ残すなとか)



 フィクションするなら

・こんな掟がある村

・謎ルール内でのデスゲーム


 ミステイルの場合だったらこんなのがある。

 

 サイコパスは人を殺すときは「ルールに沿って」行うと言われている。

 逆にシリアルキラーは偕楽主義者だから無差別に襲ってくる。

 このように、犯罪にも法則性がある。


 そういうのを解き明かしていくとか。

 


 なんでもいい。身近なルールで話を作って、ノンフィクションジャンルにて出す。

 要は埋める。とにかく、下限の一二〇〇枚を目指してキーを叩く。


 できたら、とりあえず出す。これで一品完成したじゃん。

 これでいいの。


 

●相手がプロだろうが関係ない

 

 微妙な作品ができたかも知れない。

 でも、それでいいじゃん。

 ダメって思っているのは自分だけって思えないだろうか。


 自分でも納得できない作品なら、コンテストが終わってから書き直せばいいし。

 どうしても自分が許せないなら、次に生かす。


 相手はプロだぜ?

「どうせプロが金を独占するから出る意味なんてない」

 と思うじゃん?

 

 けど、チャレンジするのはタダだ。

 ダメ元でチャレンジする。そんでプロにどれだけ近づけるのか試す。

 プロに近づきたい場合、全然ダメだったら現状を把握する。

 そこから「どうやったら届くのか」を視野に入れて、自分なりに近づいていけばいい。

 

「できない。自信ない」

 と思ったら、次の日のテーマで挽回すればいいし。

 


●自分に合ってない作家論は捨てる


 よく創作論で「こう書くべきだ」とか書いてある。

 

 でも、自分に合ってないなら従わなくたっていいのだ。  

 

第一、「小説の書き方」と「新人賞の取り方」って、実は別の方法論だからなー。


「実は小説書いたことないんです」

 って人は、まず、

「小説書けるようになりましょうね」って話よ。オレが言っているのは。

 手を動かそうねーと。


 新人賞を視野に入れるのは、手を動かすことに慣れて、まだもっと凄い作品が書きたいと思えてきたらでも遅くはない。


 全てのプロはそうしてきたはずだ。


 まず、「作家とはこうあるべきだ」とか、「文章作法はこうだ」とか、いっぺん頭から切り離す。


 それよりまず、自由に書いてみよう。

 思うままに、筆を走らせてみてはどうだろう。



●最後に

 

「やれ」とは言わん。


「一緒にやってみないか?」と言いたい。



(終わり)

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