王国任務編
第13話 伯爵からの手紙
「どうやったらこんなに可愛い獣人ちゃんが三日でこんな化け物ステータスになるの?」
そういってギルドカウンターで僕に向かって悪態をついているのはミナだ。その手には僕のステータスペーパーが持たれている。
「僕だってなりたくてなったわけじゃないんですよ?」
と言っても今回ばかりは僕にも多少の責任はあると思ってる。
ステータス
名前、シノブ
性別、女
年齢、10
役職、冒険者(黒)
能力、気配感知(最大)
気配遮断(最大)
限界突破
魔法適正+火属性強化、形状変化、効果範囲変換、詠唱不可
剛腕(最大)
魔力遮断
チャーム(最大)
念話
剣術+30
(火属性強化、火属性魔法の威力向上)
(形状変化、魔法の形状をイメージでの変換できる)
(効果範囲変換、魔法の発動範囲の操作が可能)
(詠唱不可、魔法行使時の詠唱が必要なくなる)
まさかここまでステータスが向上するなんて思ってなかった。神様曰く初期のステータスが高いことが理由らしい。
もっとわかりやすく言うと他のひとのレベル100が僕にとってのレベル1で、その上必用経験値は普通の人と変わらない。
つまりベースが高すぎるってこと?なのかな。
「まぁいいです」
「私としてはシノブちゃんが無事に帰ってきてくれただけで嬉しいです!!」
そう言ってミナは僕の耳を触りながらそう言った。
「そういえばシノブちゃん宛に手紙が届いてましたよ?」
「手紙ですか?」
そのままミナは片手で僕の頭を撫でながらもう片方の手で手紙を渡してきた。
宛先主は…………ジンクロ侯爵。
うわぁ~
『シノブ、誰からの手紙?』
(ジンクロ侯爵です…………)
『まぁ、行動が早いわね』
僕はその場で手紙を読む。
不思議そうにミナも手紙を覗き込んできてる。この世界にはプライバシーというものは無いんだろうか…………
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駆け出しの冒険者シノブ殿
貴殿の活躍は我が下僕から聞いた。そこで是非顔を見せてはくれないだろうか。
アルバス王国北の領地統括、ジンクロ・フォンテル伯爵
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凄く端的な文だな…………
「ジンクロ伯爵って王国北の領地の党首じゃないですか!?」
と声を上げて驚いているのは勿論ミナだ。
「有名な方何ですか?」
「ええ、財力は中心王国の領主の中では一番です」
「シノブちゃんって本当は何者なんですか?」
ミナが不思議そうな顔で僕の顔を見てくる。
「ただの獣人ですけど?」
「じゃあ僕はこれで行きますね」
「はい…………お疲れ様です」
ミナはまだ腑に落ちないといった表情だけど僕はそのままギルドを後にした。
『シノブどうするの?』
(そうですね…………断ったら面倒なことになりますよね…………)
『そうかしら?案外無視しても問題ないんじゃないの?』
え?神様がそんなこと言っていいんですか!?
あ、元神様だった。
まぁ結局僕はジンクロ伯爵の誘いを無視したのだった。
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