第7話
どのくらい眠っていただろうか。車が止まり義父に「着いたぞ」と呼ばれて、目を覚ました。僕は「はい」と返事をしながら目をこすって窓の外を見ると、瓦屋根で二階建ての大きな家が目の前にあった。
庭の敷地も広く、ほとんどは砂利が敷き詰められている。シンプルで殺風景ではあるものの、これだけ広いと砂利を敷かないと雑草とかの管理が難しいんだろう。
また、家だけじゃなくて空もとても広く感じた。大きな建物がなくて山々が目立つ。僕の住んでいた街とは違って、本当に田舎なんだな、と思った。この空は見ていても嫌な気持ちにならずに、どこか清々しい。
僕は義父が車から降り、家の玄関へ向かうのに着いていく。義父が引き戸を開けると、玄関先に一人の女の子が立っていた。
前髪が長くて、顔がよく見えない、どこか無精な感じの子だった。
「お父さん、おかえり」
「あぁ、ただいま」
「その人は?」
「以前言っていた養子の子だ」
「あぁ、あの」
二人の会話はひどく事務的なものだった。おそらくこの子がさきほど言っていた義姉になる人なのだろう。
「あの、よろしくお願いします」
僕がそう言うと、義姉は「うん」とだけ返事をして、そのまま階段を登って二階の部屋に行ってしまった。
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