連鎖

「お前が息子を殺したんだ」

 男の言葉を反芻する。この手は、彼の息子を殺した時の感触を覚えていた。あの時、息子はその手に斧を持って現れ、歯を剥き出しにしてこう言った。

「お前は僕の親友を殺した」

 カルロスはせせら笑う。そうやって遡ってゆけば、もう村一つ分程の人数になるのではないか。だが、それを確かめるのは自分の祖先を辿るよりずっと果てしなく、ずっとくだらないことのように思えた。

 カルロスは父親の死体に背を向けると、その日最初の煙草を吹かした。

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