連鎖
「お前が息子を殺したんだ」
男の言葉を反芻する。この手は、彼の息子を殺した時の感触を覚えていた。あの時、息子はその手に斧を持って現れ、歯を剥き出しにしてこう言った。
「お前は僕の親友を殺した」
カルロスはせせら笑う。そうやって遡ってゆけば、もう村一つ分程の人数になるのではないか。だが、それを確かめるのは自分の祖先を辿るよりずっと果てしなく、ずっとくだらないことのように思えた。
カルロスは父親の死体に背を向けると、その日最初の煙草を吹かした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます