〈絶対中立規則委員会〉

けんはる

〈絶対中立規則委員会〉

ビルに囲まれた公園に厳つい雰囲気の男達が集まっていた

その男達の前に眼鏡を掛けた黒スーツの女性が立っていた

「皆様、お揃いになりましたので〈絶対中立規則委員会〉のルールの立ち会いの元、今宵のスルカファミリー、ザガファミリーの抗争をすることを認めますか?」

「おう、認めるぜ」

「認めます」

ルールは軽くおじきをして

「ありがとうございます、それではルール説明をさせていただきます、皆様には互いに離れた場所に拠点をご用意していますのでそちらに移動していただき、移動完了後、全ての出入口をロックさせていただきます、そして十分後にロックを解除と共に開始させていただきます、武器の使用はあり、先にボスが殺された方が敗者となります、質問はございます」

「おう、1つ良いか?」

坊主の筋肉質の男性が手を上げた

「何でしょうか?ザガ様」

「こんな街中で撃ち合いとかして大丈夫なのか?」

「大丈夫でございます、この街は元々ゴーストタウンでそちらを〈絶対中立規則委員会〉が買い取らせていただいていますので、どんなことが起きても罪に問われることはございません」

「そうか、なら良いが」

「スルカ様はよろしいですか?」

白髪の男性に話しかけた

「大丈夫です」

「それでは、それぞれの案内人の後に付いていってください」

マフィアはそれぞれの案内人付いて

移動し出した

「私も準備を開始しますか」

ルールは黒色の辞典を出した

私の能力〈絶対なる規則ルールブック〉は

本に私が決めた規則を書き込むことができ

書かれた規則は私を中心に10km以内に適応される

書かれた規則を破った場合は相応の罰則が与えられる

それに例外はない

私も破ったらもちろん罰則を受ける

本を閉じることで適応される

ページを破れば無効化される

ルールは本を開き

第一事項

ルールへの攻撃は不可とする

第二事項

スルカファミリー、カルラ・スルカ

ザガファミリー、グラン・ザガ

どちらか一方が死亡した時点で抗争を終結する

第三事項

閉じてから十分以内に拠点から出てはいけない

以上を絶対なる規則とする

ルールのスマホが振動した

「はい、こちらルール、わかりました、それでは今から十分後に開始します」

ルールは電話を切り

本を閉じた

十分が経ち抗争が始まった

「始まりましたか、私はもうすることがないですね」

ルールは用意されていた椅子に座り

本を読み始めた

ルールが何冊か本を読み終えると

スマホが振動した

「こちら、ルール」

「ルールさん、両マフィアが手を組み、反乱をしました」

「わかりました、あなた達は直ぐに撤退してください」

「了解しました、撤退します」

ルールは〈絶対なる規則〉を開き

第四事項

スルカファミリー、ザガファミリー以外の者に危害を加えてはいけない

ルールは〈絶対なる規則〉を閉じた

「やっぱりこうなりましたか、元々仲の良かったマフィア同士が抗争するなんておかしいと思ったんですよね、カルラ様、グラン様」

ルールがそう言うと二人の男がルールに銃を向けたまま現れた

「よく俺達が居ることがわかったな」

「これでも〈絶対中立規則委員会〉のメンバーですから、それでどうしてこんなことを?私達と敵対する意味はないと思いますが?」

「それがあるんですよ、あなた方が中立な規則によって私達マフィアが困るんですよ」

「困る?」

「はい、絶対に勝たなければいけない賭けにあなた方のせいで負けることになるので」

「それは自業自得なのでは?」

「おい、もう話なんかいいだろう?とりあえず、手始めにお前を殺すことにしたんだよ」

「そうですか、訳がわかりませんがわかりました」

「じゃあ、死んでくれよ」

2発の銃声が辺りに響いた

「なんでだ?」

「どうしてですか?」

スルカとザガはその場に倒れた

「あなた方がルール違反をしたので、相応のペナルティを受けただけです」

二人の心臓が撃ち抜かれていた

「両ファミリーのボスの死亡により、引き分け」

ルールはスマホを取り出し

「こちら、ルール、両ファミリーのボス死亡」

ルールがそう伝えると直ぐに放送が流れて

両ファミリーのボス死亡が知らされた

「今から帰還します」

ルールは電話を切り

〈絶対なる規則〉から

1枚のページを破りとると

ルールはその場から消えた


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〈絶対中立規則委員会〉 けんはる @kenharu

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