第12話

ギルドを出て森の方へ向かう

昨日の人物が気になり森の中を探索するが昨日の人物は見当たらない

(もう少し奥に行かないといけないかな?)

森の奥に向かう

奥に行けば行くほど凶暴な魔物や採取難易度が高い薬草などを見つける

歩みを止めずにどんどん奥へ向かっていく

(おかしい、調査しよう)

奥に進めば進むほど魔物が少なくなっていき凶暴な魔物が見渡す限りに存在していない

それから約2時間かけて森の最深部にたどり着く

そこは草や木が好き勝手に生えておりリアの身体よりも大きく成長した草によって視界を奪われる

魔物の声や足音などが聞こえないので草を掻き分けて進む

進んでいると突然背後から魔物の雄叫びが聞こえ振り返ると深淵の小人の10倍はある怪物がこちらを見下ろしている

(なっ、これほど大きな怪物って……)

その怪物は4本の手を持ち顔に縦に裂けた口とその左右に目が4つあり二本の足で立っていた

周りの木々はその倍はあるのでこの怪物ですら木々に比べれば小さく見える


「……背後から来たなら奥に逃げるしかない」


奥に向かって必死に逃げるが途中で気づく

必死に奥に逃げた為洞窟に入っていたことに気づかずに怪物の巣に入っていた

洞窟は草木がなく大きなあの怪物よりも大きな洞窟であった

途中で気づき引き返そうとしても怪物に逃げ場を封じられる

(ありゃ、これはまずいなぁ)


「ニンゲン、コロス」

「話が分かるならそこどいてくれる?」

「コロス、コロス、ニンゲンハタベル」

「食人の魔物か……悪いけど死ねないなぁ」


身体強化魔法を使用して走ると4つの手で潰そうと地面を叩く

手を避けて足元を通り洞窟を抜けようとすると横からの手による一撃で吹き飛ばされ壁に激突する

腕や胴体の骨はバキバキに砕け内臓もいくつか潰された


「ぐっぶ、がっは」


大量の血を吐き力無く倒れ意識が無くなる直前に見たもので絶望する

入り口の方に怪物が2体いや後ろにもう数体いることに気づき意識を失う


一方リアと別れたギルド長の少女は部屋のソファーに寝転がっている


「……あの子が神の力をねぇ~、神様は何を考えているのやら、教えてくれない? シュナ」

「さぁね、私はあのプロジェクトについては会議で聞いていただけ、貴女は神の力を持つ少女を使って何をする気なの?」

「ただ暇つぶしだよ。長いこと生きるとやることが無くなってね」


少女は真剣な表情で聞くシュナに対してだらけた様子で答える


「貴女は何者なの? その言葉貴女は何年生きてるの? 今生きている中では最年長の貴女は」

「知らないよ、今何年経ったかなんて私に取っては意味がなく興味のない事だよ。おっと、困ったな」


少女は自身の持つ未来視の力が発動しある未来が見えた為部屋に置いてあった武器を持ちギルドを出る

シュナも後ろを付いていっている


「ねぇ、ルエ何を見たの?」

「さっきの子が死ぬ未来」

「未来は変えられない……未来視で見た未来は絶対不変の法則があるはず」

「そう言われているのが未来視、でもそれは未来視保有者に力が無いだけで私は強いから」


2人はリアの行った森の奥へ向かう

時間にしてリアとは1時間差ある為リアを見つけることはできない

(おやおや、面倒な)


「少し急ぐよ」

「はい」


2人は走って急ぐ

リアを発見した時にはリアは血を吐いて倒れていた

(まだ死んではいないはず、未来視ではもう少し後だから)

ルエは武器を取り出して近づく

ルエの持つ武器は二丁の銃で長い銃剣が付いていた

銃の大きさは1メートル程度ありそれを片手で軽々と持っている


「シュナ、リアちゃんを救出」

「はい、貴女は怪物の相手を? 勝てる?」

「さぁね、まぁ、ここで死ぬんだったらそれが定めだよ」


怪物めがけて銃を発砲して指一本を吹き飛ばし注意を引く

指一本吹き飛ばされた怪物は怒りを露わにしてルエを叩き潰そうと手で地面を殴り続ける

(この程度なら確か30年前にやり合ったあいつの方が何倍も強い)

怪物の腕を登り走って怪物の顔を撃つ

右目を撃ち抜き続けて左目も撃ち抜いた時ルエを振り払おうと腕を振るうが銃剣を突き刺して耐える

腕を洞窟にぶつけようとした瞬間に銃剣を抜き地面に着地して他の怪物を撃ち深呼吸をする

連続で一体を撃ち息の根を止めてから洞窟の中にあえて移動する

シュナが距離を取っているのを確認して目を閉じる

目を閉じたが音の反響や振動で周りの状況を把握する

(こっちの方がよく見える)


「二刀魔力銃 斬弾刹那」


刃のような弾が発砲された刹那怪物達が斬り刻まれて死亡する

全員が死んでいるのを確認して一息つくとルエは洞窟を出て草むらを掻き分けてシュナのいる方へ向かう


「君が私くらいの身長じゃなくて助かったよ、草むらから肩あたりまで出てて確認するのが簡単だったよ」

「応急処置はしましたがあくまで応急処置なので早くしっかりとした回復手段が必要なの」

「そうなるとギルドのあの部屋に行きたいなぁ~この傷の深さはちょっと本気でやらないと行けない」


2人は全力疾走でギルドへ向かう

リアに負荷がかからない速度で走っていたので30分程度かかりギルドまで着く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る