第10話
ギルドまで素早く移動するとまた兵士や冒険者達が慌てて城壁の外へ向かっていた
(城壁の外に出たのかな?)
ギルドに向かわずに方向を変えて城壁の外に走る
城壁の外には深淵の小人が三体と複数の魔物が兵士たちと戦っていた
「くっそ、何だこの数は」
「ぐぁぁぁ」
兵士や冒険者たちは沢山の魔物の前に何人も倒れていく
(三体を縛るのは無理かな?)
「ウッドスピア!」
地面を殴り魔力を流して周りの木々の根っこを操作して鋭く尖り強度の上がった根っこは深淵の小人三体の動きを封じる形で関節部位を貫く
もう一度地面を殴り深淵の小人以外の魔物にも根っこで作られた凶器で貫く
「おお、あいつが来たぞ!」
「油断しないでください。全員下がってください、そこは奴の攻撃範囲な……」
腕を鞭のようにしならせて魔物を含めて範囲内の全員を薙ぎはらう
(……あっ)
リアは血を浴びる
目の前にいたはずの戦っていた全員が倒れていた
「……死ね 神の悪戯」
手を前に出して力を使用するとこの場にいた全魔物が凍り付いて砕ける
「生命よ、目覚めよ世界樹の雫」
続けて魔法を使うと軽い雨が降り雨が触れた人々が次々と目を覚ますが傷は塞がっていないので助けるには早急に対応しなければならない
リアは城壁内で集まって待機していた魔法使い達に力を借りて皆を助けようと試みる
……おっ、あれ使ったんだね。良いの?生き返られせる事は許されない行為だよ?
神様が話しかけてくる、話からして世界樹の雫を使ったことに気がついたからだろう
(人は一定条件を満たせば死んでも生き返るという事があるの。まぁ、相当条件は難しいしその上で一定時間内にその行動をしないといけないけど)
……へぇ、まぁ、そうだね。一定以内ならまだ魂が残ってるから可能かもね
「皆息がある。死にかけているとはいえこの調子なら多分問題無いと思う」
「……剣を借ります。ある程度回復させたら城壁内に移動してください」
「うん、分かった」
兵士の1人から剣を拝借して森の中に走って入る
そこには刀を持ったフードを深くかぶった人物が立っていた
リアは話しかけようとするが口を開く前に刀を振ってくる
「話す気は無いみたいだね」
剣で刀を防ぎ戦う
凄まじい攻防が繰り広げられる
リアと結構な身長差があるが小さいリアの身体をしっかりと捉えて回避のしづらい攻撃を繰り出す
両者とも身体強化で肉体を強化して魔法を使用していない人からは認識出来ないほど速度を上げる
(……このレベルまで上げないと追い付けないとなると只者では無いね)
剣と刀がぶつかり合い周りの空気が揺れる
両者とも引かず攻め込まず相手の行動を読み合う
「へぇ」
刀を持つ人物は距離を取って自分と対等に戦うリアを見て感心する
刀を軽く振って森の外を見て森の奥へ走り去っていく
リアは追わずに反対側の森の外に行く
(はぁ、疲れた。魔力をごっそり使った。いやぁ、魔力が増えても肉体的疲労は変わらないからそんなに多くは一斉に使えないか……)
森を抜けると殆どの人物が立ち上がって何事もなかったかのように城壁内に入っていく
「暗くなってきてる……早く帰ろうかな?」
暗くなってきていた為寄り道をせずに真っ直ぐ家に戻る
家に帰りさっさといつもの行動を取り部屋に戻り疲れからいつもより早く眠りにつく
翌日 朝にうるさい音が聞こえリアが起きると鳩が部屋の窓を超高速の突き攻撃でガラスを粉砕して机に手紙を置いて帰ろうとしていたので帰ろうとしている鳩を首を掴み手紙を開く
手紙の内容は『入学試験は二週間後に行う』とだけ書かれていた
「なになに……入学試験は二週間後に行う。たったこれだけの為に部屋のガラスは無残にも粉砕されたのか……仕方ない」
余っている紙を使って『この鳩にガラス壊されたのでガラスを弁償お願いします、この鳩を殺さないだけ温情と思ってください』と書いて鳩を外に放り投げる
鳩はよろよろと翼を広げて帰っていく
「ギルド行こうかな?」
朝早く起きたがやる事がなかったので素早く支度をしてギルドに向かう
ギルドは朝5時から夜12時くらいまでやっているとなってはいるが実際はほぼずっと開いており受付の人などは交代制で勤務している
ギルドに着き中に入ると朝早いのにギルドは冒険者で賑やかだった
掲示板を見ると沢山の依頼が載っておりさまざまな種類があった
「難易度高い依頼がいっぱいある……どれやろうかな?」
貢献度が高く比較的に簡単そうな物を選ぶ
『依頼理由 暁の草原は本来おとなしい生物しか生息してなかったのにここ数日で凶暴な生物が現れてあそこに生えてる薬草やそこに生息する生物の素材が取れなくなったせいで宿で提供している料理の一部が出せなくなった。報酬は払うから凶暴な生物の複数討伐と薬草の採取を頼みたい。内容 リザーベアとリザーウルフの討伐 2体ずつと薬草 辛草8つの採取(そこら辺に生えている為入手は簡単)前金を多少上げますので依頼達成に役立ててください』
長々と書かれている内容を確認して依頼書を手に受付に移動する
先にある程度報酬の一部を渡す前金は不正行為に厳しいと有名なこの国のギルドならではの方法である
「あら、リアちゃん何受けるの?」
「これ」
依頼書を手渡す
受付の女性は確認して頷く
「はい、依頼書を確認したよ。この依頼はリザーベアの片手とリザーウルフの爪、辛草を8つ持ってきてくれれば良いよ。量多いからバックを持って行ったほうがいいよ。あとこれ前金ね」
「ならバックを買ってから行こうかな?」
前金を受け取りギルドを出てバックを買いにバックの売っている店に向かう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます