第4話

吹き飛ばされ森の入り口まで飛ばされ木にぶつかる

衝撃で骨が砕け血を吐き倒れる

(……嘘でしょ、間違いなく怪物は一度殺せた、息もしてなかったのに生き返った?それとも知能があり意図的に息を止める手段があったのか? 余りにも情報が足りなすぎる。やむを得ない手加減無く殺す)

リアの傷は力によって全て癒え何事も無かったかのように立ち上がり深淵の小人を睨みつけゆっくりと前に歩き出す


「出来れば使いたくは無かったなぁ〜神の力なんて全ての均衡を崩してしまうから」


再び深淵の小人は鞭のように自分の腕しならせて襲いかかるがその腕を右手で掴み腕を確認する

(へぇ、そんな使い方するんだ〜)

腕は関節を外して無理やり伸ばしているように見え強固な鱗が攻撃力を上げているようだ


「せめて楽に殺して上げるから抵抗せずに楽に死になさい、神の代わりに神の遊びを見せてあげるわ神の悪戯」


突如深淵の小人の周りを炎が囲み深淵の小人が炎に包まれる

炎で焼かれているが再生しているのか一歩また一歩と近づいてくる

(やっぱり再生能力がある)

炎は燃え上がりそして炎は突如氷のようになり全身を凍らせていき全身が凍り付いた瞬間氷が割れる音がして自然と怪物は粉々に砕け散る


「……これは神の遊びに過ぎないけどあまりにも強すぎる」


神から得た力を再確認してこの力を恐れ出来る限り使わないと再度心に決めて逃げた男性達と合流する


「奴は何処に?」

「倒したよ、それより学園長は何処? 話がある」

「ここよ、良いわ。会議室で全員を集めて話しましょうか」


学園長は先程会話をしていた女性であった

学園長は歩を進め会議室に向かう


「教師全員?」

「それと生徒会と風紀委員よ。学園の問題はその全員を入れて解決を試みるの。貴方にも参加して貰うわよ」

「まぁ、無理矢理参加するつもりでしたから」

「へぇ、今回の問題はそんなに気になるの?」

「はい、フェリオドットの英雄譚って知ってますよね? あれに出てくる深淵の小人という怪物の特徴と類似している点がいくつかありましたので」


会議室につき他の面々を待っている間に話をする

会議室にある本棚を学園長が漁るとフェリオドットの英雄譚という絵本を取り出す

この本は有名で知らぬ者いないともされている英雄の物語である

2人で本の中を見るとあの怪物と類似している特徴を持つ深淵の小人という名の怪物が書かれていた

強靭な鱗は攻守ともに優れ一度殺されても蘇る程の再生能力を持っている深淵の小人は小人という名に相応しくないほど大きく恐ろしい怪物であると記されていた


「間違いありません。あの怪物は深淵の小人です。強靭な鱗を持ち一度死んでも蘇る程の再生能力を持つ怪物」

「それなら今は名前が無いから深淵の小人と仮の名を付けておきましょうか。本の怪物が現実に現れるなんて……」


一時間ほど経ち会議室には沢山の人々が集まる

長机を囲む形で全員いる

魔法使いや剣士、槍使い弓使いなど様々な人々が集まる


「皆よく集まってくれたよ。では作戦会議を始める」

「一体何なんですか? 学園内に新種の魔物が現れるなんて本当なんですか?」

「事実だ、俺はこの目でしっかりとあの怪物を確認した」


入学試験を行なっていた男性がそう言うと数人が笑う


「成る程なぁ、それで勝てないと考えて逃げたのかよ。雑魚が」

「彼は平民育ちですから仕方ないですよ。我々のように貴族では……」


(へぇ、あの人平民育ちなんだ)

男性を馬鹿にして数人が嘲笑う

それを誰も止めようとはしないのは彼らが貴族の中でも上の位にいるからである


「……どなたか他に目撃情報を持つ人はいませんか?」

「……お前は誰だ?」


槍使いの男性がリアを見て聞く

その言葉を聞き全員がリアの方を向く


「入学希望者の1人で怪物を殺した子だよ。学園だけではないと考えているのか?」

「はい、居ないですか?」


全員に聞くと1人だけ手をあげる

忍者のような服装をしている少女が手を挙げていた


「待ってました! 報告します。私自身は姿の確認をしていないので分かりませんがほぼ同時間帯に怪物の目撃情報がありました。全てその場にいた兵士や冒険者の手によって討伐されましたが多くの被害が出ています。怪物の特徴は全身が鱗に覆われいて一度ですが死んだと思われた時立ち上がって蘇っているというものです……信じ難いですが聞いた話では深淵の小人と類似しているとのことです」


少女の言う目撃情報とリアの戦った怪物はほぼ同じであった

同時刻に同じ怪物が数匹目撃及び討伐されていると言うことは人の手が加わっていると考えても良いだろう


「……学園に現れた奴と多分同じでしょう。ここに本があります、学園に現れた怪物はこのような姿をしていました、そして一度殺しても蘇るほどの再生能力を持ち全身を鱗が覆っていましたので同時刻に各地で出現した未知の生物となると人の手が入っていると考えて良いでしょう」

「それは人だけか?」

「いえ、人の手というのはたとえです。魔物や人ではない別の種族の可能性もあります」


報告を聞いて話が嘘ではないと完全に理解して皆が真剣な面持ちで話し始める

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