パクリ

881374

俺がルールだ!【その1】パクリ。

「はーい、『の巫女姫』でーす」


「はーい、『なろうの女神』でーす」


「すごいですね、この作者、いきなり『KAC』に参加したと思ったら、テーマが『パクリ』ですよ!」


「……てかさあ、むしろ問題は、『KAC』にあると思うのよ、あなた、見ていて感じない?」


「え、何がですか?」




「何かさあ、創作にかける時間が少ないせいか、どの作品も、『どこかで見たようなもの』ばかりじゃない?」




「──うおっ、最初から、そこに突っ込むんですか⁉」


「いや、これ、笑い事じゃなくてね、運営さんにもちゃんと考えてもらいたいんだけど、こんなこと続けていたら、『作家として死んでしまう』わよ?」


「うん、通報したらヤバい作品も、結構ありますしね」


「えっ、私そんなつもりで言ったんじゃないけど、どれよどれよ?」


「ちょっ、私のこと、嵌めましたねえ⁉」


「……ああ、この作品か。すごいわねえ、最後に自分で『白状』しているじゃない? これだから、農協JA作品のファンときたら…………いやいや、これってダミーよ! むしろ別のラノベ系作家の作品との『類似』のほうが、より強く感じられるわ!」


「個々の作品を指摘するのは、やめてください! ──それよりも、『作家として死んでしまう』って、どういう意味なんですか?」


「ほら、この作品の作者って、事あるごとに『リ○ロ』型の『死に戻り』について、いちゃもん付けているじゃない?」


「……また、コメントしにくいネタを」


「最近じゃ、量子論とか集合的無意識論とかで、理論武装しちゃってさあ」


「それがどうしたんですか、別に『パクリ』とは関係ないじゃないですか?」


「うん、そうよね、オリジナルである『リ○ロ』の作者の人は、別にパクリなんかやっていないから、いくらこっちの作者に糾弾されたところで、胸を張って言えると思うの、




『──つべこべ下らねえこと言うんじゃねえ! 俺の作品においては、この俺こそが「ルール」なんだ、量子論とか集合的無意識論とか、知ったことか!』




 ──ってね」




「──‼」




「果たして、『カクヨム』や『なろう』において無数にうごめいている、『リ○ロ』パクリ作家たちが、同じことを聞かれて、何と言うかしらねえ? ──きっとこう言うに違いないわ、




『……し、知るか! 「リ○ロ」はちゃんと、多くの読者に認められているじゃないか! だから俺の作品だって、間違ってはいないんだ!』




 ──とかね」




「──っ。そ、それって⁉」


「そう、パクリ作家たちはパクリゆえに、自分の作品に真の意味で『責任』を持つことができないの。果たして自分の作品にさえも責任を持てない人間なんて、本当に作家と呼べるのかしらねえ」


「た、確かに……」


「別にこんな大げさなレベルの話でなくても、通常の小説づくりにおいても、パクリ作品は様々な弊害を生み出しているのよ?」


「そ、そうなんですか?」


「パクリだけではなくもっと一般的に、人の『受け売り』ばかりしているやつも含めてさあ、そいつらの作品て、内容が矛盾だらけなのよ。──そりゃそうよね、『パクリ』や『受け売り』ということは、んだから、矛盾点に気づくわけ無いわよね。ところで、自分の頭で考えもしないで作品を創っている人間を、果たして真の意味で『作家』と呼べ(ry」


「自分の頭で、考えていないって、まさか、そこまでひどいんですか?」


「ひどいひどい、これはWeb作家だけではなく、プロの作家も同様なの」


「ええっ、プロの作家が、自分の頭で考えて作品を創っていないって、そんな馬鹿な⁉」




「──じゃあ、何でプロのSF作家の皆様は、『タイムパラドックス』という致命的な矛盾点が発覚してしまっている現在においても、厚顔無恥にも『タイムトラベル』作品を創り続けていられるのかしら?」




「あっ」


「私寡聞にして知らないんだけど、もしかして『タイムパラドックス』問題って、すでに解消されているわけ?」


「……い、いや、私の知る限りでは、今もなお健在であられます」


「だったら、『タイムトラベル』作品なんて、書けるはずはないんじゃないのお? 『プロ』の作家先生様としたらさあ♫」


「こいつ、すげえ、活き活きした表情してやがるよ? このどSが!」


「ほんと、情けないわよねえ、最初のうちは、けして自分の頭で考えることなしに、ただ先行作品の受け売りばかりをしていたところに、実はそれがまったくの大間違いと発覚したというのに、今度は思考停止して、自ら矛盾だらけの作品を創り続けるなんて。本人としたら、せっかく苦労してカンニングしたのに、それが『間違った答案用紙』だったようなものかしら?」


「……確かに、自分の頭で考えていないと、そう言うことにも気づかないだろうし、やはりパクリなんて、やらないほうがいいのですね」




「──ていうか、そもそも自分の頭で考えることのできないやつらは、今私たちが何を言っているのかすらも、本当のところはわかっていなかったりしてねw」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

パクリ 881374 @881374

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ