36. 夏と父の思い出

ハロー!B・Dです。

夏の終わりはセンチメンタルになるね。


ボクはキャンプが大好きだ。

子供のころは、父がキャンプが好きで、よく連れて行ってくれた。小さいころは楽しかったけど、大きくなってくるとボクにもやりたいことが増えて、少し面倒に感じることもあったけど(笑)。


でも、大人になったボクはやっぱりキャンプが好きで、時間がある時はオクさんとキャンプに行っている。

父と行っていた時とは違って、今のテントは立派だし、組み立てるのもやりやすいし、道具も便利なものがたくさんある。食材も、行くたびに違うものを持っていって、毎回違うメニューを食べることもできる。

昔のキャンプより豪華で、好きなように楽しめる。


それでもボクは、今になって、昔の父と行ったキャンプが懐かしくてたまらない気持ちになる。

夜には焚き火をして、ふだんは聞けない話をしてもらった。いつもは見られない父のたくましいところも見た。父も若くてかっこよかった。


寝る時は、地面がごつごつして背中が痛かった。

父がキャンプに行かなくなった理由も、それだった。テントで寝ると、次の日に腰や背中が痛くて、それがなかなか治らなくなった。そして、だんだん行かなくなってしまった。


夏の思い出のもう一つは、夏休みが終わる前の父の教室だ。

父は教師で、アメリカの学校では教師が自分の教室を持っている。夏休みが終わると1年の新学期が始まるので、その前に父は自分の教室で物を片付けたり、新しいものを整理したり、飾り付けをしたり、そういう準備をする。


ボクは子供のころはいっしょにその教室に行って、父のやることを見ていた。父はお気に入りの音楽をかけながら、楽しそうに準備をしていた。そのころの曲をきくと、ボクの胸は懐かしさでいっぱいになって、泣きそうになる。


今ボクは、しばらく日本にいると決めた。

最初は間に合わせの部屋で間に合わせの家具や物で生活していたけど、長く住むと決めてからは引っ越しをして、気に入った家具や物もそろえ始めた。

もらった古いソファも、座り心地のいいものに変えた。

大きな家具は特に、ずっと住むと決めないと買うことができない。帰国する時に置いていくと思うと、そこにお金はかけられないからだ。


そして、今、一番ほしいのが大きな車だ。前に書いたけど、今のボクの車ももらったもので、体の大きいボクにはとても小さい(笑)

それに、キャンプのたくさんの荷物が入れづらい。いつもパズルのように形を考えながら、荷物を空間にはめている。


中古の大きな車の値段をチェックしながら、その車でキャンプに行くことを想像してワクワクする。最近は、そういう時に父とのキャンプや夏の教室をなつかしく思い出している。

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