10. ○○人と、○○民族。
ハロー!B・Dです。
皆さん、ハリー・ポッターは好き?
あの話の中に、ヴォルデモート卿という悪の魔法使いが出てくる。みんな彼を恐れるあまり名前を口に出すこともしたがらない。それで、彼の話をする時に「名前を言ってはいけないあの人=He-Who-Must-Not-Be-Named」というふうに呼ぶ。
ボクのこのエッセイで、あまり名前を直接的に出したくない、出さないでおこうと思うのが、あの人=うちの大統領だ。
まったく、ひどい。彼は、TerribleでSillyだ。笑えるくらいChildishな時もあるけど、大統領だと思うと笑ってもいられない。ある意味、笑うしかないんだけど。
彼は、移民を敵視してる。
そんなのバカげてるよ。だって、そもそもアメリカでは、ネイティブアメリカン以外はみんなよそから来た人たちだ。そういう人たちが、今のアメリカを作ったんだ。これからも開かれた国であるべきだ。
というか、まさか、アメリカで移民の是非が問題になる日が来るってことが、ボクには驚きだった。
ボクたちは、学校でアメリカの成り立ちを教わり、いい国だ、ボクはこの国を誇れるって思いながら育ってきた。
あれはいったい、何だったんだ?
名前を言いたくないあの大統領のせいで、アメリカは分断されてしまった。
こんなことを日本の人に話すと、だいたい同意してくれる。
中には、うちのあの人も…って不満を言う人もいる。
だけど、ちょっと思うのは、日本の人は、移民の問題を本当に実感としてわかってくれてるかな?ということ。
もちろん、頭ではわかってくれてると思うけど、日本では移民の人たちと接する機会がない人も多くて、あまり身近な存在じゃないから、実感は湧きにくいかもしれない。
そして、こういう話をする時、アメリカと日本の根本的な感覚の違いを感じるのが「○○人」という認識についてだ。
アメリカでは、おおざっぱには、何系の人であっても、本人がアメリカ人だと言えば、違和感なくその言葉を受け取る。
でも、日本では、ボクみたいな人がもし「ボクは日本人です」と言ったとすると、口には出さないかもしれないけど「日本人ではない」と感じるのでは?
「日本人」と言う時、ここでは二つの意味合いがある。
1、帰化した元外国人を含め、日本国籍を持ってる人。
2、国籍とは関係なく日本民族の血を引いてる人。
さっきのはたとえで、もちろん今のボクは1、2のどちらでもなく、アメリカ国籍で、日本の在留資格を持ってここで暮らしてるわけだけど、もし国籍を取って「日本人」と名乗っても、違和感を持たれるのではないか?って思ってしまう。
つまり、多くの日本の人は、「日本人」と聞くと自動的に2を思い浮かべているように見える。
この感覚の違いが、正直、とてもさびしく感じることがある。
外国出身の人が日本国籍を取っても、本当の意味で日本人と認められないんじゃないか?
でも、日本に長くいると、それも理解できるようになる。日本は長い間、日本民族だけでやってきた。感覚が違うのはしかたがない。
それに、アメリカのような多民族国家の方が特殊なんだ、っていう考え方もあるかもしれない。ボクだって、世界中のことに詳しいわけじゃないから、これはボク個人の感覚だと思って聞いてください。
日本でも、今、法律や制度が変わりつつあるみたいだ。
何十年先かわからないけど、日本の人たちも変わる時が来るかもしれない。
国籍としての「○○人」と民族としての「○○人」を分けて考え、そのうえで、日本民族じゃない日本人を「日本人」として受け入れる。ツーステップだね。
それは、ちょっとした意識の違いであると同時に、心のとても深いところのベーシックな問題でもある。
いずれにしても、ボクとしては、日本らしさ、日本のいいところは失わずに、こういう意識がよりよい方へ変わるといいんじゃないかと思う。
アナタはどう思いますか?
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