フロービート

第1話 プロローグ

薄暗い大空の海。雲の間を縫うように飛ぶ飛行体

それは、背に翼を生やした少女のようだ。長く、紅い髪をなびかせ飛ぶその少女の表情からは酷く消耗している様がうかがえる。

かれこれ3日間飲まず食わずで飛び続けている。少女の体力はもうとっくに底をついているだろう

「早くアレを見つけないと、戦争が起こる前に」

その言葉は自身を鼓舞するために発したものだろう

目的の場所まで決して止まらないと

その時、眼前、雲の上に浮かぶひとつの島が見えてきた。