まっすぐに

日の昇る方へ

まっすぐに歩いてきたつもりが

ふと後ろを振り向けば

足あとはくねくね


おかしいな

どこかで道を間違えた

わたしは地図を確認して

道のりをたどってみる


交差点では曲がらなかった

家の庭を通らせてもらった

水たまりだってジャンプして

ちょっと泥水はねたけど

構わずまっすぐ進んできた

まっすぐ

まっすぐに


くねくねしている足あとを

ちゃんとまっすぐ直したくなった

だってまっすぐ来たのだから

足あとだってまっすぐじゃなくちゃ


戻ろうとしたわたし

慌ててそこに立ち止まった

そこから戻ってしまったら

くねくねどころの話じゃない


途方にくれて行く先を見ると

昇る日が前にある

昇る日はいつも前にあって

まっすぐ歩いてくのはここからだって構わない


わたしは地図を広げた

今度はまっすぐ行けるように

今度は間違えないように

でも間違えるも間違えないも

地図はまっしろ

もともと道なんかないことに気がついた


わたしは一歩を踏み出した

その一歩がまっすぐなものかどうか

もう気にしないことにした

その一歩がわたしの一歩なら

まっすぐなものに決まってる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る