第7話

今日こそは、ハイダさんに会おう!


一昨日はいなかったし、昨日はあれからペットコーナーへ向かう気にもなれなかったから、今日こそはハイダさんに会う!


私はルンルンでホームセンターに入り、すかさずペットコーナーへ向かった。


「ハイダさん!」


私の期待通り、床を掃除しているハイダさんがいた。


「おっ、マイちゃん、来てくれたんだね」


私から30センチも離れた高い位置から降り注ぐハイダさんの視線が身体をくすぐる。


「2日も会えないと干からびそうです」

「ははっ。でも土日は例外でしょ?」

「そ、そうですね!」


何やってんだ!私は。次の言葉が思い浮かばない....。はぁ、恋愛的に好きな人の前ではどうしてこうなのだろうか。


「学校の調子は?大丈夫?」

「あっ、いや、大丈夫です!カケル君がいるから」

「カケル君?マスク君のこと?うん。青春だね!」

「いやっ!そんな関係じゃないです!」

「僕も自分を磨いて魅力的な男にならなきゃなぁ。今のままじゃ、あの人は振り向いてくれない」


既にハイダさんは立派で魅力ある男なんだよなぁ〜。


「....。振り向いて、くれたらいいですよね」

「あっ、ごめん!プライベート過ぎたね。無意識に喋ってた....」


会う時はいつもこんな感じで、適当に会話をする。ハイダさんが私を見てくれるようになる訳でもないのに。



楽しい時間はすぐに過ぎ去って行く。


『面白いよな〜』


セキヤくんから連絡が来てる....。私、ただでさえ返信遅めだから、そろそろやらなくちゃな。


『あの人のネタは基本的に腹筋崩壊する』


っと。ほんと急にセキヤくんから連絡が来るようになるものだから、びっくり。


むしろ、不信感すら覚えてしまう....。基本的に私は他人が苦手で恐怖心があるから、人を疑ってしまう。


以前、小学校の頃セキヤくんにバレンタインデーの日に友チョコあげたら、ホワイトデーの日に結構熱のこもったお返しがきたことがあった。


周りの子からも、「マイちゃんってセキヤくんのこと好き?」とかって聞かれまくってたから、実はセキヤくんには下心があるんじゃないかって思ってしまう....。


考え過ぎかな....。でも連絡が来きたの唐突だったし、何よりそれについて何も触れてこない。ただの他愛のないトークを繰り返すだけ。


「退屈だなぁ....」


そんな乾いた声が私の部屋に反響した。

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