第41話 終焉の王宮遺跡 エントランス
遺跡を攻略し、ガーディアンを倒して文明の遺物スフィアをゲットする。それがトレジャーハンターのするべき仕事である。
しかし、今そのトレジャーハンター達の腕を試すかのように、世界の危機が訪れようとしていた……。
――王宮遺跡 エントランス
王宮遺跡のエントランスに、トレジャーハンター、二ャモメ団の三人は立っていた。
「で、さっさと行って、あいつが超プラズマ砲とやらを使うのを阻止しないといけないわけか、まったく。「奥に言って止めるだけでしょ」とかエイリスの奴―、軽く言ってくれちゃってさあ」
遺跡攻略でもこんなにも行きたくないやつは初めてだわ、とミリは愚痴る。
「依頼だし仕方ないよー。エイリスのとこは真っ先に反抗姿勢とっちゃったしー、たぶん最初に標的にされちゃうからねー。でもやっぱりー、あんな風に頭ごなしに言われて
行きたくなくても行かなきゃいけない理由をあげて、いなすケイク。
「悪い事する人には、ポロンめっ、て言いにいかなきゃ!」
シンプルな理由でシンプルに正義魂を燃やしているポロンちゃん。
弓使い少女と、短剣使いの少年、踊り子の少女、三人はそれぞれテンションを高めながら先へと進んでいく。
「さっそく壁にぶち当たったみたいだけど、なにこれ、紙? ハリボテじゃん」
「どーするー」
そして行き止まりに行きあたった。
「殴って先に進むに決まってんじゃん、えいっ」
グシャッ。グシャッ。グシャッ。
壁、壊れる。
「ぴゃあっ、固そうな壁さんがぐしゃぐしゃになっちゃった!」
「壁!? これ、まさかの紙製!? まあ、戦闘でハートがハードなビート! みたいな感じにならなくて助かってるけどさあ。でも紙って……ただの時間かせぎのつもり?」
「どーだろねー? とにかくこの調子でどんどん行っちゃえばいいんじゃないかなー」
グシャッ。グシャッ。グ……。
「あれ、何か手ごたえが……。うわっ、壁の中に子供が! 怖っ! 何アンタ
仮面をかぶった子供がわらわら出てきた。
「マスターのメイレイ、シンニュウシャをハイジョ」
「あ、攻撃してくるみたいだよー。暗黒団のメンバーかなー」
「あいつ、ボッチじゃなかったんか!」
慌てて武器を構えて応戦するミリとケイク。
「ポロンも、壁グシャってするの手伝うっ! ぐしゃっ、だよ。あう、ごめんね壁さん」
「あぁっ、ポロンちゃんそれダメ! ああ、言わんこっちゃない。中から新手が……」
「あ、こっちの壁にはいないー。ランダムかなー? どうしようねー。この先の全ての壁警戒しながら行くと結構手間だよー」
時間稼ぎとしてもドッキリホラーとしても優秀なトラップだった。
戦闘でハートがハードなビート! な状態に陥るニャモメ団。
「何て地味な時間稼ぎ!」
「どうするー?」
さっさと先を急ぎたい二ャモメ団は、大いに困った。
そこへ、助っ人の
「ここは、請け負った! 私に任せて先にゆけ!」
「うわっ、それダメなセリフだからっ。てか、何でサクヤがここに?」
「わぁ、サクヤさんだっ。久しぶりだねっ。ポロン会えて嬉しいよっ!」
刀を振り回しつつ死亡フラグが立ちそうなことを言ってのけたのは、ソロで活動するサクヤというトレジャーハンターだった。
「うむ、悪のはびこる所にトレジャーハンターが駆けつけるのは道理。ともに悪を打ち滅ぼすべく思い、助太刀に入らせていただいた」
「だから、アンタはトレジャーハンターをなんだと……。まあ、いいや。助かるし。で、今の状況なんだけど」
かくかくしかじか。
「なるほど、この壁を全部取っ払ってしまえばいいのだな。簡単ではないか」
「だから、中に人がいるから下手にグシャってやるとスプラッタにしかねな……こらっ、ちょっ、なに刀抜いてんの!」
「わースプラッタかなー。ポロンちゃんお目目閉じるー?」
「ふぇ?」
サクヤは技名とともり刀を振りぬいた。
「千夜流秘伝、
スパパパパパーーーッ!!
「ちょおぉっ! 何周囲一帯の壁全部切っちゃってんの! 凄いけどっ! 中に人が……ってあれ?」
中の人は無事だった。
「ふむ、これで見分ける労力が省けただろう。モノノフ遺跡の兄弟刀、切りたいものだけ切るスフィア……あの、者にとられなくて良かった。さて、あらためて主らは先にゆくがいい。ここは私にまかせてな」
サクヤはいい笑顔になって再びフラグを立てなさった。
「その言葉好きなの! それとも死亡フラグの方!?」
「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます