第17話 羽集めの収集
古代文明が生み出した遺物スフィア、それは今を生きる人々にとって超便利アイテムとして重宝されていた。飛空艇という大型のものから、消しゴムのような小さなものまで、その形や大きさは様々だ。だが大抵は、厳重な防護を固めた遺跡の中にそれは眠っている。
しかし、そんな場所に眠っているスフィアを、遺跡から発掘して生計を立てる者達がいた。
これはそんな者達、三人のトレジャーハンターの物語であった。
「もー、いっつも言ってるじゃないですか。この世にあるものに確かなものは無いって。だから、百パー確実なジョーホー何て無いんですよー」
トレジャーハンターの活動に無くてはならないのが、情報屋の収集してくる情報だ。
蛹のような形のテントにいる、その無くてはならない情報屋のアゲハが、ニャモメ団の
三人にむけて軽い口調で会話を続けていた。
「ちゃんと先日提供したマグノリアに件も言っておいたじゃないですかー。あっ、そこやばいの出るかもですよーって」
その軽い口調で遺憾の意を表明してるのに対し。
「そんなテキトーな付け足しで分かるかっ!! 仮にも情報屋なんだから、ちゃんと伝えとけっ。だいたい火の玉だけならまだしも竜が出て来るってどういう事!?」
「あのサクヤって人が復活して、タイミングを計って竜に飛び移って角を折ってくれなきゃ、ファイアーブレスでボクたちマルコゲだったよねー」
ミリとケイクは重い口調で激しく遺憾の意を表明し返していた。
「あっちっちになっちゃうとこだったね。でも、タゼーにブゼー……だっけ? それはよくないよ」
危うくな状況に陥ったうちの一人のポロンちゃんはしかし、別の所に対し遺憾の意を表明していた。
「あはは、だいじょーぶだよー。強い人には例外ルールが適用されるからー」
「ふぇ、そんなルールあったけ。こんど辞書で調べてみなきゃ」
「うん、調べるときはキャモメ団にある辞書使ってねー。都合のいいことー……じゃなくて、正しいことが乗ってるからー」
こんな状態に陥ったポロンちゃんをコントロールするための、ミリ手製の辞典だった。
「それで、次の遺跡の情報ですけど……」
それは人里離れた枯れた森の奥深くにあるらしい。
その遺跡は他の遺跡より格段に難易度が高いらしく、生きて出てきたトレジャーハンターは今のところいないらしかった。
何でも、超古代に研究されていた禁忌のスフィアが眠っているとかで……。
「何かすんごい危険らしいですよー」
情報屋いわく、中から仲間のすごい悲鳴が聞こえてきたとか、普段は物静かな人間が人が変わったように暴れているのを遠目から見たとか……。
「これはー」
「う、これは」
「「嫌な予感しかしない(ねー)!!」」
ミリケイクは、嫌な予感を表明した。
「ふえ?」
これを聞いてやばいと思わない奴はイカレてるだろう、と。
二人ははっきりそう思った。
「どうします? やめときます?」
アゲハはニヤニヤ。
「…………はっ、じょーとーじゃん! リスクを恐れてトレジャーハンターがやれるかっての」
向かうトレジャーハンターの心(ポロンちゃん除く)はブルブル。
「そのわりにはー、待機時間がながかったよねー」
「はあっ!? それはアレだし、身震いってやつ。あんたこそ、ビビってんじゃないの!?」
「ふぇ? ミリちゃんそれは武者震いだよっ。ポロン勉強したから分かるっ。辞典さんに載ってたんだよ」
!!
ポロンちゃんを言いくるめるための辞典の内容に、逆に言い返された。
「じゃあ、そういうことで探索連盟にも報告しておきますね。攻略したら考古学協会にレポート提出お願いします」
「じょ、じょーとーだっての」
「そのわりにはどもってるよねー」
「はあっっ!? それはアレだし、言い間違えたとかそういう……。ええいっ、真偽については検証結果が出次第報告させていただきます! したがって今の時点での回答を控えさせていただきます。なおそのような虚偽の情報を蔓延させた場合には激しく遺憾の意を唱えさせていただく所存でございます!!」
古代文明時に、たくましく活動していたというとある職業の方々の情報を元にして、ミリは弁明した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます